国内初のPTP包装廃材マテリアルリサイクル 3R推進功労者表彰で厚労大臣賞受賞 武田薬品

 武田薬品は29日、令和6年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰において、厚生労働大臣賞を受賞したと発表した。
 同表彰は、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会が、循環型社会の形成を推進することを目的に1991年より実施している。廃棄物などの発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)の3R活動に率先して取り組み、顕著な実績を挙げている個人・学校・団体などに贈られる。
 今回の受賞は、武田薬品の国内主要生産拠点である光工場において、国内で初めてPTP包装廃材のプラスチックとアルミニウムという異なる材質を分離して、アルミニウム、プラスチックとしての再生利用の検討を進めたことが評価されたもの。
 同工場では、2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法を契機に、同工場から排出されるPTP廃包装材の環境負荷低減対策を検討し、2023年6月にこの処理方法を導入した。これによる環境負荷低減への寄与が期待されている。
 光工場ではプラスチック類として排出される産業廃棄物の約半分を「PTP包装廃材」が占めており、武田薬品は同取り組みを重要なプロジェクトとして位置付けている。
 また、同社は、ヘルスケアエコシステムにおける温室効果ガスの削減が喫緊の課題であることを踏まえ、同業他社による本手法の導入を促進するために、必要な情報を共有し、働きかけを行っている。
 さらに、同工場から分離を委託する廃棄物中間処理業者までの輸送においては、輸送ルートの大部分でこれまでのトラック輸送に替えて、様々な輸送手段の中で環境への負荷が少ない輸送手段である鉄道輸送※2への切り替え(モーダルシフト)を行い、CO2排出量の削減にも努めている。
 武田薬品は、2040年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量のネットゼロを実現するという目標を掲げている。タケダの温室効果ガス排出目標は2024年、科学に基づく目標イニシアティブ(SBTi)から、産業革命前からの世界の気温上昇幅を1.5度に抑えるための排出量に適合していると認定された。
 廃棄物の埋め立て削減については、2030年までに世界全体で90%削減することを目標にしている。

◆松本行浩武田薬品グローバルマニュファクチャリング&サプライ ジャパン ヘッドのコメント
 この度の受賞を嬉しく思う。今回の受賞は、医薬品製造による環境負荷を低減し、「いのちを育む地球のために、自然環境の保全に寄与する」という我々の約束の価値を再認識させてくれるものである。
 循環経済の原則からもわかる通り、人々の健康と地球環境との間には重要なつながりがあると考えている。今後もこの取り組みを業界全体へ、また世界に広がる当社のネットワークへと広げ、すべての人々にとっての持続可能な未来のために活動していく。

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