遺伝子治療用製品「コラテジェン」 米国FDAの画期的新薬指定により審査期間短縮と承認確率向上に期待 アンジェス

審査期間は8.0ヵ月及び11.5ヵ月と3~4ヵ月短縮、承認確率は46%から68%に向上

 アンジェスは10日、遺伝子治療用製品「コラテジェン」が米国FDAからブレイクスルーセラピーー(画期的新薬)の指定を受けたメリットとして、審査期間の短縮及び申請した場合の承認確率の向上に期待を示した。
 ブレイクスルーセラピーは、FDAにより、重篤な症状の治療を目的とした薬剤の開発と審査を迅速化するために設計された制度で、同指定は、臨床試験の結果により、その薬剤が臨床的に重要な評価項目において既存の治療法よりも顕著な改善を示す可能性があると認められたことを意味する。
 米国において、2019年10月1日から2024年6月30日の間にブレイクスルーセラピー指定の申請がなされた全577件のうち、指定が承認されたのは222件で、全体の約38%であった。
 中でもコラテジェンを含む生物由来製品については、2023年10月1日から2024年6月30日までの直近9か月間に指定されたものは13件中わずか3件で、全体の約23%とブレイクスルーセラピーの指定を受けること自体が非常に困難である。
 これまでにブレイクスルーセラピー指定を受けた製品を調べてみると、審査期間の短縮と承認確度の向上が期待できる。具体的には、FDAの2021年及び2022年の審査期間(中央値)は、標準的な審査の場合には2021年度が
12.1ヵ月、2022年度が14.5ヵ月であるのに対して、ブレイクスルーセラピー指定を受けた場合の審査期間は、それぞれ8.0ヵ月及び11.5ヵ月と3~4ヵ月短縮されており、より短期間に承認されている。
 また、ブレイクスルーセラピー指定制度が始まった2012年7月9日から2024年6月30日までの12年間にブレイクスルーセラピー指定を受けた587件のうち、指定を受けた各企業等の公開情報から抽出した483件の現在の状況を調べると、328件(約68%)が承認を取得している。現在も臨床試験や申請中のものを除き、開発中止(6年以上Updateがないものを含む)に至ったものは僅か37件(約
8%)である。
 この承認確率は、コラテジェンと同様にP2試験が終了して以降の一般的な承認確率約46%(2019年から2023年の平均値)と比べると極めて高いことが分かる。※
このように、今回「コラテジェン」がブレイクスルーセラピーの指定を受けたことにより、今後の審査期間の短縮、また、申請した場合に承認される確率が一般的な製品よりも高いことが推測される。
 なお、今回のブレイクスルーセラピーの指定に伴う当連結会計年度における連結業績予想に変更はない。

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