ソチクレスタット ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群のP3試験未達 武田薬品

 武田薬品は17日、開発中のソチクレスタット(soticlestat, TAK-935)について、ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群を対象としたP3試験で、いずれも主要評価項目が未達であったと発表した。
 ドラベ症候群を対象としたSKYLINE試験では、主要評価項目であるけいれん発作頻度の減少はわずかに達成できなかったが、複数の重要な有効性副次評価項目で臨床的に意義があり、名目上有意な効果を示した。
 一方のレノックス・ガストー症候群を対象としたSKYWAY試験では、主要評価項目である major motor drop発作の減少は達成できなかった。
 ソチクレスタットは、ファースト・イン・クラスで開発中の強力で選択的なコレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤だ。コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)は主に脳で発現し、コレステロールを24-Sヒドロキシコレステロール(24HC)に異化する酵素であり、ソチクレスタットはCH24Hを阻害することで結果的にグルタミン酸作動性神経の過剰興奮を抑制する。
SKYLINE(TAK-935-3001)試験は、難治性のドラベ症候群(DS)を対象としてソチクレスタット(TAK-935)+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価したP3相多施設共同、無作為化、二重盲検試験。ソチクレスタットは、プラセボと比較して、けいれん発作の発現頻度のベースラインからの減少という主要評価項目をわずかに達成しなかった(p値=0.06)。
 6つの重要な副次評価項目のうち、ソチクレスタットは、16週間の投与期間にわたり、レスポンダーの割合、介護者および医師による全般的印象尺度-改善の指標、並びに発作強度および持続時間のスケールにおいて、臨床的に意義があり、名目上有意な結果を示した(すべてp値≤0.008)。
 SKYWAY(TAK-935-3002)試験は、難治性のレノックス・ガストー症候群(LGS)を対象としてソチクレスタット+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価したP3相多施設共同、無作為化、二重盲検試験である。ソチクレスタットは、プラセボと比較して、 major motor drop (MMD)発作の発現頻度のベースラインからの減少という新たな主要評価項目を達成しなかった。
 SKYLINE試験およびSKYWAY試験では、事前に特定したサブグループの患者において、ソチクレスタットは16週間の投与期間にわたり、主要評価項目および副次評価項目である介護者および医師の全般的印象尺度-改善、並びに発作強度および持続時間スケールで臨床的に意義があり、名目上有意な治療効果が示され、さらなる分析を実施している。
 SKYLINE試験およびSKYWAY試験のいずれにおいても、ソチクレスタットの忍容性は概ね良好であり、過去の試験の所見と一致する安全性プロファイルが示された。
 P2試験のELEKTRA試験では、ソチクレスタットはDSとLGSを統合した試験集団の全治療期間においてプラセボと比較してけいれん発作頻度のベースラインからの統計学的に有意な減少を示した(p値=0.002)。
 DSコホートにおいても、プラセボと比較して、けいれん発作頻度のベースラインから統計学的に有意に減少した(p値=0.0007)。
 SKYLINE試験とP2相ELEKTRA試験のDSコホートの統合解析では、ソチクレスタットはプラセボと比較して、けいれん発作頻度のベースラインから減少させた(p値=0.001)。
 武田薬品では、今後の方針を決定するため、これらの試験で得られたデータ全体について規制当局と協議をする予定だ。また、同社は両P3試験の結果を今後の学会で発表する予定である。
 なお、同試験結果に伴う2024年度第1四半期における業績影響については、無形資産の減損損失を含めて引き続き精査し、必要に応じて適切な時期に告知する。

◆Sarah Sheikh武田薬品Neuroscience Therapeutic Area Unit Hea、Global Development Headのコメント
 現在利用可能な治療法があっても、DSおよびLGSのような発達性てんかん性脳症の多くの患者さんには、発作の負担や治療の忍容性など、様々な側面において依然として持続的なアンメットニーズがあることがわかっている。
 主要評価項目において、より明確な結果が得られたら良かったが、全体的な試験データから得られた良好な結果に勇気付けられている。規制当局と協力して今後の最善策を決定したいと思う。

タイトルとURLをコピーしました