新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」 日本で通常承認取得 塩野義製薬

 塩野義製薬は5日、新型コロナ(COVID-19)経口治療薬「ゾコーバ」について、通常承認を取得したと発表した。同剤は、2022年11月22日に「SARS-CoV-2による感染症」の適応で日本において緊急承認を取得した後、通常承認申請を実施し、今回の通常承認に至った。これに伴い、緊急承認下での同剤の処方時に必要であった文書による患者からの同意取得の手続きは不要となる。
  ゾコーバの通常承認は、日本、韓国、ベトナムで実施したP2/3試験(SCORPIO-SR試験)の良好な結果2に基づくもの。同試験は、オミクロン株流行期に重症化リスク因子の有無やワクチン接種の有無にかかわらず幅広い軽症/中等症のCOVID-19患者を対象に実施されたものであるが、その第3相パートにおいて、オミクロン株に特徴的なCOVID-19の5症状に対する同剤の改善効果(主要評価項目)および抗ウイルス効果(主要な副次評価項目)が確認された。
 また、感染性を有するSARS-CoV-2ウイルス(ウイルス力価)の速やかな低下等の同剤の有効性に関するデータや、緊急承認の期間中に蓄積した90万人以上(推定)の患者での安全性に関するデータも新たに提出し、緊急承認後に提出した全てのデータを含めた資料に基づき審査された結果、ゾコーバの有効性、安全性が確認されたと判断され、通常承認に至った。
 今回の承認により、日本においてゾコーバがより安心して使用できるようになり、重症化リスク因子の有無にかかわらず幅広いCOVID-19患者の治療に貢献することが期待される。
 また、同社は、グローバルでの開発を加速し、さらなるエビデンスの集積に努めるとともに、より多くの国々でのコロナ治療に貢献できるよう尽力する。

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