小野薬品は22日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、化学療法と比較して高頻度マイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復機構欠損の進行大腸がんを対象としたP3相CheckMate-8HW試験で、病勢進行または死亡リスクを79%低減したと発表した。提携するるブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が20日に公表したもの。
CheckMate-8HW試験において、オプジーボとヤーボイの免疫療法薬2剤による併用療法は、化学療法と比較して、MSI-HまたはdMMRのmCRC患者において主要評価項目である盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で病勢進行または死亡リスクを79%低減し(ハザード比 [HR]: 0.21;95% 信頼区間 [CI]: 0.14 – 0.32; p<0.0001)、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
これらの最新データは、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウムで公式プレスプログラムの一環として、20 日に口頭発表された。
CheckMate-8HW試験では、PFSの改善は約3カ月目から認められ、持続した。PFSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群では未達(95% CI: 38.4 – NE)で、化学療法群では5.9カ月(95% CI: 4.4 – 7.8)であった。
KRASまたはNRAS遺伝子変異を有する患者、およびベースラインで肝臓、肺臓、または腹膜への転移を有する患者を含む、あらかじめ指定されたすべてのサブグループにおいて、一貫したPFSベネフィットが認められた。
オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能であった。
新たな安全性シグナルは認められなかった。グレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で23%、化学療法群で48%の患者に発現した。
グレードにかかわらず、TRAEによる中止率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で17%、化学療法群で32%であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、MSI-HまたはdMMRのmCRC のファーストライン治療薬として顕著な有効性を示した最初の免疫療法薬2剤によるレジメンである。
CheckMate -8HW試験は、もう1つの主要評価項目である全治療ラインにおいてオプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボ単剤療法と比較したPFS、および全生存期間(OS)を含む副次評価項目を評価するため進行中である。
◆Thierry Andre氏(Sorbonne大学およびSaint-Antoine病院、腫瘍内科部門長、M.D.)のコメント
MSI-HまたはdMMR のmCRC患者さんでは化学療法でベネフィットを得られる可能性は低い。この試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、3カ月目からPFSを顕著に改善し、持続的なベネフィットが示した。
これらの結果は、この患者集団に対して、同併用療法が意義のある治療効果を示すとともに、診療を変える可能性を示した。
◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者(M.D.、M.S.C.E.)のコメント
すべてのCheckMate臨床開発プログラムの研究を通して、BMSは腫瘍学の領域における変革をもたらし、がん患者さんの生存期間の延長に貢献している。
本日、CheckMate-8HW試験のこれらのデータにより、オプジーボとヤーボイの併用療法が、病勢進行または死亡リスクを79% 低減した。以前にCheckMate -142試験で示されたように、 これらの結果はMSI-HまたはdMMRのmCRCにおけるオプジーボとヤーボイの併用療法のベネフィットに基づくもので、より多くの患者さんに役立つよう、これらの治療法の可能性を探求するという当社のコミットメントを強化するものである。