ダトポタマブ デルクステカン トリプルネガティブ乳がん等を対象とした2つのP3試験開始 第一三共

 第一三共は19日、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、ADC)単剤療法またはデュルバルマブ(免疫チェックポイント阻害剤)との併用療法について、トリプルネガティブ乳がん等における術前・術後薬物療法を対象としたP3試験(TROPION-Breast04)および一次治療を対象としたP3試験(TROPION-Breast05)の患者への初回投与を開始したと発表した。
 TROPION-Breast04は、前治療歴のない早期(ステージⅡまたはⅢ)のトリプルネガティブ乳がんおよびホルモン受容体(HR)低発現かつ、HER2低発現または陰性乳がん患者を対象として、同剤とデュルバルマブとの併用による術前薬物療法と、それに続くデュルバルマブと化学療法の併用またはデュルバルマブ単剤による術後薬物療法における有効性および安全性を、ペムブロリズマブ(免疫チェックポイント阻害剤)をベースとした術前・術後薬物療法と比較し評価するグローバルP3試験である。 主要評価項目は、病理学的完全奏効と無イベント生存期間、重要な副次評価項目は全生存期間である。日本を含むアジア、オセアニア、欧州、北米および南米において約1700名の患者を登録する予定である。
 TROPION-Breast05は、PD-L1陽性の局所再発手術不能または転移性のトリプルネガティブ乳がん患者の一次治療を対象として、同剤の単剤療法またはデュルバルマブとの併用療法の有効性および安全性を、医師選択化学療法とペムブロリズマブの併用療法と比較し評価するグローバルP3試験である。
 主要評価項目は、無増悪生存期間、重要な副次評価項目は全生存期間。日本を含むアジア、オセアニア、欧州および北米において625名の患者を登録する予定だ。
 第一三共は、異なるステージのトリプルネガティブ乳がん等における新たな治療の選択肢を提供できるように現在進行中の2つのP3試験(TROPION-Breast02 および TROPION-Breast03)とともに、同剤の単剤療法および免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の開発を加速させていく。

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