国産初ワクチンの利点として「公衆衛生・安全保障面での意義」を強調 第一三共奥澤社長

奥澤社長

 第一三共は28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するオミクロン株XBB.1.5対応1価mRNAワクチン「ダイチロナ筋注」について、国内で追加免疫の製造販売承認を取得したと発表した。
 本年9月に製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、今回承認されたもの。同剤が特例臨時接種に使用されるワクチンとして位置づけられ次第、厚労省との供給合意に基づき、国産初のmRNAワクチンとして近日中に供給を開始し、2023年度中に140万回分を供給する予定である。
 同剤は、冷蔵(2~8℃)での流通・保管が可能となるため、医療現場での利便性の向上が期待できる。
 同日開かれたmRNA ワクチン「ダイチロナ筋注」に関する記者会見では、奥澤宏幸代表取締役社長兼COOが国産初のmRNAワクチンの意義と期待に言及し、「日本国の中で国産のワクチンが供給できる技術や製造能力が確立できたのは、公衆衛生・安全保障の面で大きな意義がある」と強調。さらに、「今後は、様々な変異株にスピード感をもって迅速に対応していきたい。製造のスケールも高めて安定供給に尽力する」考えを示した。
 平島昭司代表取締役専務執行役員日本事業ユニット長も将来のパンデミックへの対応について、「mRNA技術は製造期間が短く、パンデミックウイルスの遺伝子配列が判明次第製造することが可能である」と利点を説明。その上で、「今回構築したmRNAワクチンの技術プラットフォームにより万が一新興・再興感染症が発生した際に迅速なワクチン開発の対応がとれる」と訴求した。

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