ウシオ電機は、ウイルスを不活化する「222nm紫外線殺菌・ウイルス不活化ユニット」の開発に着手し、その一環として今月より国内の医療機関等において研究実験用ユニットの設置を開始する。
紫外線の殺菌メカニズムは、照射された紫外線が細胞の遺伝子情報をつかさどる核酸(DNA/RNA)に吸収され、その紫外線エネルギーによりDNA、RNAの結合が切断され、2量体が生成されることで、増殖能力が失われ、死に至る(不活化)というもの。
222nm紫外線殺菌・ウイルス不活化ユニットは、ウイルスや細菌の付着が疑われる建材や器具、衣服に対して波長222nmの紫外線を直接照射することでウイルスの不活化や、細菌の殺菌をする。
従来、紫外線によるウイルス不活化や細菌の殺菌には、波長254nmの紫外線が用いられてきたが、皮膚傷害が発生するリスクが高く、人体への直接照射は避けられていた。
だが、今回ウシオが開発を進める波長222nmの紫外線は、ウイルスの不活化や細菌の殺菌能力はそのままに、人体に直接照射しても急性障害である紅斑が発生しないことが臨床試験で確認されている。
ウシオでは、紫外線をエネルギーとして活用することで医療における治療や予防・検査、環境衛生など様々なソリューションを提供し、人々の安心・安全・健康への対応も社会的責務と捉え、同ユニットの一日も早い製品化を目指している。