2023年度上期業績 EVKIVITY等の開発後退による財務ベース利益への影響もマネジメントガイダンス達成に向け順調に推移 武田薬品

 武田薬品は26日、2923年度上期業績について、売上高は2兆1017億円となり、恒常為替レート(CER)ベースで+1.4%の成長を示したと発表した。Core営業利益5888億円、Core営業利益率28.0%、財務ベース営業利益1192億円。
 売上収益は、実勢レート(AER:Actual Exchange Rate)ベースで+6.4%、恒常為替レート(CER:Constant Exchange Rate)ベースで+1.4%の成長、成長製品・新製品が牽引(CERベースで+13%)した。主力製品の売上高は、胃潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンタイビオ」3917億円(対前年同期比13%増)、血漿分画製剤「免疫グロブリン製剤」3092億円(26.2%増)、ADHD治療薬「ビバンセ」2263億円(7.1%増)。
 Core営業利益は前年同期比△9.5%の減少(CERベース)。後発品参入による影響、新型コロナウイルスワクチンの需要減、研究開発およびデータ&テクノロジーへの投資の増加を反映した。
 財務ベース営業利益および当期利益の減少は、第2四半期に計上したEVKIVITY等の開発後退による非資金性の無形資産減損損失による影響を受けた。
 為替前提および想定税率の変更を反映し、通期売上収益およびCore EPSの予想を上方、第2四半期に計上したノン・コアの項目に関する要因により財務ベースの通期利益予想を下方修正した。
 フリー・キャッシュ・フローの見通しおよびマネジメントガイダンスは、変更無し。

クリストフ・ウェバー武田薬品代表取締役CEOのコメント
 当社は革新的な医薬品を創出し、患者さんにお届けするビジョン実現に向け、未だ有効な治療法が確立していない疾患に対するニーズに対応し、患者さんの治療結果とQOLを向上させる新たな治療選択肢を提供するため上期に取り組みをさらに推し進めた。
 当社のパイプラインは強固であり、下期にはTAK755(先天性血栓性血小板減少性紫斑病)、フルキンチニブ(転移性の大腸がん)、TAK721(好酸球性食道炎短期治療)など、米国で最大3つの新薬承認を取得する可能性があり、多くの重要なマイルストンが見込まれる。
 EXKIVITY(非小細胞肺がん)やアロフィセル(クローン病に伴う痔瘻)の開発の後退は、研究開発に内在するリスクを浮き彫りにし、2023年度第2四半期の財務ベースの利益に影響を及ぼした。だが、これは当社が近い将来、成長軌道へと回帰するための戦略を妨げるものではなく、事業の長期的な力強さに対する自信を揺るがすものではないと確信している。

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