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夏の三大感染症であるヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルス(プール熱、咽頭結膜熱)。これらは梅雨から夏にかけて子どもがかかりやすい夏風邪だ。今年は、特にヘルパンギーナが猛威を振るい、過去10年で最多の患者数に上った。ピークアウトした地域も見られるが、ワンシーズンに何度もかかる可能性もある。症状の重篤化や合併症のリスクもあるため、正しい知識を持ち、適切な対処法を取ることが重要だ。そこで、今回は、ヘルパンギーナなど気をつけたい子どもの夏風邪について、解説している。
*出典:国立感染症研究所ホームページ(https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr.html)
◆ヘルパンギーナとは
夏風邪の代表的疾患であるヘルパンギーナは、主にコクサッキーウイルスA群、まれにエンテロウイルスによって引き起こされる感染症である。6月から初夏にかけて、子ども同士の生活距離が近く、濃厚接触しやすい環境で流行する傾向にあるが、今年は大きな流行となっている。
水ほう(水ぶくれ)を意味する「ヘルペス」と「痛み」を意味する「アンギーナ」という言葉があわさったのが病名の由来だ。
◆手足口病とは
その名の通り、手、足、口に水疱水ほうができる疾患である。流行りやすいのは4歳くらいまでだが、小学校でも流行することがある。ヘルパンギーナと同じタイプのウイルスが原因だ。
◆アデノウイルス(プール熱、咽頭結膜熱)とは
アデノウイルスは多様な型があり、感染する体の場所により様々な症状を引き起こす。プールで感染しやすいことからプール熱(咽頭結膜熱)とよく呼ばれているが、プール以外でも感染するケースが多くある。
また、夏に多いウイルス性の感染症であるが、1年中かかるおそれがある。子どもに多い感染症で、発病すると通学や通園が禁止となる学校感染症に当たる。
◆どんな症状が出るの?
◆子どもが感染したら?
ヘルパンギーナ、手足口病に対する特効薬はない。症状を和らげるための対症療法を行い、1週間程度で自然に治癒するのを待とう。
症状が軽度な場合は休息と適切な水分摂取が重要で、少し冷たい飲み物や食べ物がのど喉の痛みを和らげる場合がある。反対に、オレンジジュースなどの酸味が強いものや飲み込みづらいものは避け、口の中にできた腫瘍や発熱に対しては解熱鎮痛剤を使用するケースもある。
アデノウイルスについても同様に特効薬はなく、対症療法を行う。発熱は5日ほど続く場合があるため、脱水を起こさないよう、経口補水液などによる水分補給や、高熱で不快感が続くようであれば解熱剤を使用する。
目の症状が酷いときは眼科を受診し、「抗菌薬」や「ステロイド薬」、「抗ヒスタミン薬」の点眼薬を使用し対処する。感染した子どもの目やにや涙を拭き取るときは、ティッシュペーパーや清浄綿を使い、手で直接目に触れないように気をつけよう。
◆気をつけたいことは?
ヘルパンギーナ、手足口病では、のど喉の強い痛みによって飲食ができなくなり、脱水症状を引き起こしてしまい、入院をするケースもある。
アデノウイルスでは、のど喉の腫れ(扁桃炎)や痛み、炎症(咽頭炎)などを引き起こし、重症化した場合には気管支炎や肺炎などにつながる場合もある。
その他にも、高熱に伴う熱性けいれんや、まれに脳炎・脳症(意識障害)を合併する場合もあるため、注意が必要だ。けいれんだけでなく、ぐったりして顔色が悪い、ぼんやりしている、何度も嘔吐している、尿が半日以上出ていない、といった症状があれば、急いで受診して頂きたい。
◆家庭での感染を防ぐには?
これらの夏風邪はウイルスが付着した手を介して広がる接触感染、咳やくしゃみで飛散したウイルスを含む飛沫で感染する飛沫感染、ウイルスが手や指を介して口に入る経口感染がある。次の予防策を行い、感染を広げないようにしよう。
・こまめにせっけんと流水による手洗いをする
・ タオルや食器を共用にしない
・ 人混みや医療機関などではマスクを着用する(涼しさが保たれている場合)
・ 便にウイルスが含まれているので、おむつ交換をするときには使い捨ての手袋を使用し、おむつを交換した後は手洗いと手指の消毒をする
◆登園・登校はいつから大丈夫?
ヘルパンギーナ、手足口病については、熱が下がって飲食が十分にできるようになれば登園・登校は可能だ。
アデノウイルス(結膜炎を伴う場合)については、学校保健法で治癒後の登園・登校の時期が規定されている。発熱などの主な症状が治癒した後、2日たてば登園・登校が可能になる。
園や学校により、登園・登校の独自のルールや、登園許可証や登園届についてのガイドラインがあるので確認を要する。
◆風間尚子氏(日本赤十字社医療センター小児科専門医)のコメント
今年のヘルパンギーナの傾向として、症状として代表的な「明らかな水ほう」が観察されない例が増加している。また、今の時期は熱中症や新型コロナウイルスなどと区別が難しいケースもある。「熱が続いているけどこれって夏風邪?熱中症?」と悩む場合はまずは相談して頂きたい。
これらの夏風邪は大人にもうつる可能性があるので、家庭内感染にも気をつけよう。
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