アッヴィは18日、炎症性腸疾患(IBD)の正しい理解を広め、患者が「周囲のIBDへの理解」を実感できる社会の実現を目的とした「I know IBDプロジェクト」に、川越一番街商店街(埼玉県)が全国初の商店街として参加したと発表した。
川越一番街商店街は、年間約240万人が訪れる日本有数の観光型商店街で、7月15日より全国で初の試みとして同プロジェクトに参加を開始した。
川越一番街商店街加盟店のうち、同プロジェクトの趣旨に賛同している14店舗では、1カ月間のトライアル期間を設けて、IBD患者さんに対して、施設・店舗内トイレの貸し出しを行う。また、同プロジェクトのステッカーを施設・店舗内に掲出し、IBD 患者さんへの支援・理解の可視化につなげる。
さらに、協力企業・協力店の従業員を対象に、IBD に関する教育資材の配布などを行い、社会全体での IBD の理解向上を目指す。
IBDは、主に大腸や小腸など消化管に炎症が起こる疾患で、主に指定難病である潰瘍性大腸炎とクローン病がある。下痢や腹痛が主な症状であるために周りに疾患であると気付かれにくい特徴に加え、トイレの回数の増加や、食事の制限など患者の日常生活に様々な影響を及ぼす場合もある。
国内のIBD推計患者数は約29万人と国の定める指定難病の中でも患者数が多い疾患として知られており、国内患者数は年々増加傾向にある。
IBD患者にとって、社会が気づいていない様々な「見えない壁」が存在する中で、患者の日常生活に影響するものの1つとして、外出時のトイレへの不安がある。トイレを理由に「外出に気後れしてしまう」、「活動範囲が限定的にならざるを得なくなってしまう」など、同プロジェクトではこうした患者の日常生活の「見えない壁」に対して、様々な企業・店舗の協力を得て解消に取り組んできた。
「I know IBDプロジェクト」は、2022年5月に発足以来、幅広い業界・業種からの賛同を得て、協力企業・協力店数は全47都道府県で82社2,302店舗(2023年 6月末時点)に広がった。さらに、昨今の旅行需要の回復を受け、今年5月には、IBD患者の日常だけでなく、非日常の外出といえる「旅」の場面にも活動を拡大することを発表している。
アッヴィは、今後もトイレの問題だけでなく、IBD患者を取り巻く見えない壁の課題を解消し、希望あふれる日常の実現を目指す。
◆ジェームス・フェリシアーノ アッヴィ社長のコメント
今回、全国初となる商店街の本プロジェクトへの参加をきっかけに、アッヴィは全国の商店街や観光地、自治体等のパートナーとの共創を進める。さらなるI know IBDプロジェクトへの賛同の拡大と社会全体での疾患認知と理解を広げることで、IBD患者さんの笑顔に貢献していきたい。
◆藤井清隆川越一番街商業協同組合理事長のコメント
川越一番街商店街は蔵造りの商店街として親しまれ、近隣はもとより、遠方からも多くのお客様にご来訪いただいている。よりよいまちづくりを目指して活動をしている中で、困っている方をサポートしたいという気持ちから、I know IBDプロジェクトに参加することを決めた。IBD患者さんにも安心して川越を訪れていただき、観光を楽しんでいただけたらと思う。