武田薬品は30日、遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII 因子「スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)」について、後天性血友病A (AHA)患者における出血抑制を効能・効果として厚労省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
AHAは、正常な第VIII 因子遺伝子を有する患者に凝血促進作用の機能的欠損を引き起こすヒト血液凝固第VIII 因子(hFVIII)に対するインヒビター(自己抗体)の出現に起因する稀な出血性疾患である。
臨床症状は重度であることが多く、解剖学的に多様で、死亡率は28%に達する。多くの場合、自然発生的にまたは軽微な外傷を契機に出血する。AHA患者の多くは高齢で、そのほとんどに出血エピソードの治療を困難にする重大な基礎疾患が認められる。
現在、日本でAHA の出血エピソードに対する治療(出血抑制)の効能・効果が承認されている薬剤は、バイパス製剤の3剤のみで、治療薬の選択肢は限られている。
今回の製造販売承認申請は、主にAHAの日本人成人患者を対象とした国内P2/3 相試験(NCT04580407)およびAHAの非日本人成人患者を対象とした海外P2/3相試験(NCT01968655)に基づくもの。これらの試験において、スソクトコグアルファは、AHAの治療薬として有効性と安全性が評価された。
スソクトコグ アルファは、グリコシル化されたB ドメイン欠損遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII因子である。AHAの成人患者における出血エピソードのオンデマンド治療薬及びコントロール薬として、2014 年10 月23 日に米国で世界最初の製造販売承認を取得した(販売名「OBIZUR」)。
2022年11月現在、スソクトコグ アルファは、内因性第VIII因子に対する自己抗体が出現したAHAの成人患者における出血エピソードの治療薬として、米国、カナダ、EU、英国、プエルトリコ、オーストラリア、スイスおよびコロンビアなど、30以上の国と地域で承認されている。
◆梶井靖武田薬品R&D Japanリージョンヘッドのコメント
後天性血友病Aは重篤な出血症状を呈し、生命予後は良好とは言えない難治性の出血性疾患で、治療選択肢が限られており、臨床上大きなアンメットニーズがある疾患である。
スソクトコグ アルファを新たな治療選択肢として、日本の患者さんに少しでも早くお届けできる日を心待ちにしている。