アンジェスは9日、HGF 遺伝子治療薬「コラテジェン」について、米国における後期P2試験の患者登録を完了したと発表した。
同社では、コラテジェンの下肢潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症を対象とした後期P2試験を2020年にスタート。その後、2022年末までに目標症例60例の投与を完了し、さらに、脱落例を考慮して症例を追加し、今般患者登録を完了したもの。今回の後期P2試験では、コラテジェンを1ヶ月間隔で4回投与し、初回投与から1年間の経過観察を行う。
コラテジェンは、アンジェスが設立以来手がけてきた主力のプロジェクトだ。日本において、2019年3月26日に「慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善」を効能・効果として期限付製造販売承認を取得した国内で初めての遺伝子治療薬である。
コラテジェンは、最も再生能力の高い臓器である肝臓から発見された肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor:HGF)を発現するプラスミド DNA で、虚血部位に投与することで HGF を産生・分泌し、虚血部位の側副血行を改善して局所血流量を増加させ、虚血状態を改善させる。
HGFは、肝臓のみならず、血管、リンパ管、神経など生体の様々な臓器・組織の形成・再生において主要な役割を果たしている。HGF に「血管を新生する」能力があることに着目し、血管が詰まり血流が悪くなっている虚血性疾患に対し「血管を新生する」というこれまでにない作用を有する治療薬として同社が開発を進め、製品化に至った。
米国での後期P2試験では、初回投与後、1年間の経過観察を経て、臨床試験のデータを確定する。従って、同臨床試験の結果については、2024年度に確定する予定である。
同件が2023年12月期の連結業績に与える影響は軽微で、今後、開示すべき事象が発生した場合には、速やかに開示する。