アッヴィ合同会社は24日、リンヴォックについて、成人の体軸性脊椎関節炎における日本での適応追加承認を取得したと発表した。
対象疾患は、既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者で、同剤はnr-axSpAの適応を持つ日本初のJAK阻害剤(1日1回投与の経口剤)となる。
同承認は、NSAIDに不耐容/禁忌であった活動性のnr-axSpAの成人患者を対象とした日本を含む国際共同P3試験(M19-944試験Study 2)結果に基づくもの。
両試験においてリンヴォック(15mg、1日1回投与)は、プラセボと比較して、主要評価項目である14週時のASAS40(国際脊椎関節炎評価会、ASAS)基準で40%の改善を達成した。
今回の承認取得によりリンヴォックは、日本において、関節リウマチ、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、アトピー性皮膚炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎に続く6番目の適応症を得た。
体軸性脊椎関節炎は、主に脊椎や仙腸関節など体軸骨格が侵される一連の炎症性疾患で、強直性脊椎炎(AS)およびnr-axSpAの2つに大別される。
ASとnr-axSpAの異なる点はX線画像での所見の有無であり、nr-axSpA患者さんでは臨床的にX線画像で仙腸関節の構造的損傷を示す明確な画像所見が認められない。
だが、nr-axSpA患者は、疼痛、炎症やこわばりによる身体機能の障害が頻繁にみられ、患者のQOLや健康に重大な負担を及ぼす可能性がある。
また、日本におけるnr-axSpAの有病率は、欧米など他地域と比較して0.0006%と低く、国内では稀な疾患の1つとも言える。
これまで、nr-axSpAに対する治療として、国内では非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)で効果不十分となり、より高度な全身治療を必要とする場合、利用可能な生物学的製剤はいずれも皮下投与であった。
リンヴォックは1日1回投与の経口剤であるため、患者の負担軽減につながる新たな治療選択肢として期待される。