第一三共とKiteは23日、ヒト体細胞加工製品「イエスカルタ」について、20 日に大細胞型B細胞リンパ腫二次治療の適応拡大承認を取得したと発表した。
適応症は、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫。
同適応拡大は、再発又は難治性の大細胞型 B 細胞リンパ腫患者への二次治療を対象とした海外P3試験(ZUMA-7)の結果に基づくもので、本年4月に適応追加申請が行われた。
イエスカルタは、CD19(細胞膜タンパク質)を標的としたCAR-T細胞(キメラ抗原受容体T細胞)療法で、患者自身の免疫システムを利用してがんと闘うもの。患者のT細胞を取り出し、製造施設でキメラ抗原受容体を発現するように操作した後、再び患者の体内に戻すことでがん細胞を認識・破壊させる。
CAR-T細胞療法は、個別の患者ごとに個別に製造され、投与は1 回のみ。
同品は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫を対象として、2018年に日本の厚生労働省から希少疾病用再生医療等製品に指定された。
再発または難治性の非ホジキンリンパ腫の一種である大細胞型B細胞リンパ腫の治療薬として、2021 年1月に日本で承認されている。日本の非ホジキンリンパ腫の患者数は、世界で2番目に多いといわれている。
第一三共とKiteは、再発又は難治性の大細胞型B 細胞リンパ腫の二次治療における新たな選択肢を提供することで、より多くの患者に貢献していく。