韓国で抗体誘導ペプチド「FPP003」の物質特許成立 ファンペップ

 ファンペップは21日、開発中の抗体誘導ペプチド「FPP003」について、韓国で物質特許が成立し、韓国特許庁から特許公報が発行されたと発表した。
 同特許は、FPP003の用途(対象疾患)にかかわらず、物質そのものを広く保護する物質特許で、主な概要は次の通り。
・発明の名称:疾患の要因となる生体内タンパク質を標的とするコンジュゲートワクチン
・出願人:大阪大学、ファンペップ
・特許番号:10-2468907
 なお、ファンペップは、同特許について大阪大学から独占的な実施権の許諾を受けている。

 抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するペプチド治療ワクチンである。バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、抗体誘導ペプチドは化学合成での製造が可能なため製造コストを抑制できる。
 さらに、投与後は、患者の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生するため、薬剤投与間隔も長い。これらの特徴により、同社は、高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、先進国で深刻化する医療財政問題の解決や患者様の負担軽減に貢献していきたいと考えている。
 ファンペップは、抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術の保有を強みとし、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究によって抗体誘導ペプチドの創薬研究を行っている。
 FPP003の標的タンパク質IL-17Aは、様々な炎症性疾患の病態に重要な役割を担っており、先行する抗IL-17A 抗体医薬品は、尋常性乾癬、関節症性乾癬、強直性脊椎炎及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎等の幅広い疾患を対象に薬事承認を取得している。
 FPP003についても、日米欧等での世界展開を視野に入れて開発を進めており、現在、オーストラリアで尋常性乾癬を対象疾患としたP1/2a相臨床試験を進めている。
 FPP003は、住友ファーマとの共同研究により創生した開発化合物だ。ファンペップは、住友ファーマとの間で北米での全疾患を対象とする独占的開発及び商業化権に関するオプション契約を締結しており、日本を含む北米以外の地域については同社が優先交渉権を保有している。
 なお、同特許成立は、ファンペップの当期業績に影響を与えるものではないが、既に同特許が成立している日本及び米国に続き、韓国でも本特許の実施について独占排他権が認められたことを意味し、FPP003 開発プロジェクトを強力にサポートするものである。

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