武田薬品と国連グローバル・コンパクトの正会員UNITARは30日、パートナーシップの一環として、血漿および血漿分画製剤事業に対する患者のニーズに応じた各国の医療制度強化に焦点を当てた新たな共同イニシアチブを発表した。
同イニシアチブは、UNITARのグローバルな課題に対する革新的な解決を見出すトレーニングや教育における専門性と、武田薬品の希少疾患および血漿事業のエコシステムにおける経験により発足したもの。
血漿の世界的需要は過去20年間で大幅に増加しており、希少疾患と診断される患者数の増加に加え、世界的な標準治療水準の向上や治療へのアクセス拡大により増加し続けている。
生活を一変させ、生命を維持する血漿分画製剤に対するこうした需要は、現在入手可能な供給量をはるかに上回っており、その結果、必要とする治療へのアクセスが困難な人々が、世界中、特に途上国・新興国において増加している。
同イニシアチブの全体的な目標は、専門家、政策立案者、患者団体、学会、市民団体、民間企業が一体となった国連主体の中立なプラットフォームの構築だ。認知の向上、パートナーシップの構築、最新の科学的知識およびベストプラクティスへのアクセスの促進を通じて、同プラットフォームは、各国において血漿分画製剤による治療を受けている患者の生活の質および平均余命を向上させる解決策考案の支援を目的としている。
また、血漿分画製剤のエコシステムを改善し、患者の治療へのアクセスを増加/向上させるため、既存のイニシアチブを補完し、相乗効果を見出すことにも焦点を当てる。
WHOの基礎的医薬品モデルリスト掲載からも血漿分画製剤の重要性は認識されており、医療制度における血漿分画製剤の重要性と、すべての国においてこれらの製剤へのアクセスを促進する必要性が強調されている。
同様に、血漿供給の分野において医療制度の改善強化の必要性や関心を寄せる国がますます増加している。同イニシアチブは、正式な承認を得た後に2ヵ国で試験的に実施される。両国が血漿に関する医療インフラを強化する同プログラムに参加することで、今後のプロジェクト拡大に向けた一歩となる。
UNITARは、プロジェクトのコーディネーターとして、ステークホルダー間の議論を先導し、今後の協働の基盤を築くための共同枠組みとしてプラットフォームの役割を担う。
武田薬品は、創立時の出資者として血漿事業に関する専門知識、資金およびプロジェクトサポートを提供する知識を持ったパートナーの一社して役割を果たす。
◆ニキル・セス国連事務次長補兼UNITAR総代表のコメント
人命を救助し、生命を維持する血漿分画製剤を入手できるか否かは、死活問題となる可能性がある。国連システム内での職務の一部として、我々は武田薬品と協力して、生産能力を拡張し、認知度を向上させ、パートナーシップを強化し、最新の科学知識とこの分野におけるベストプラクティスへのアクセスを促進する。
UNITARと武田薬品とのパートナーシップが強化されていることを嬉しく思う。これは官民連携がいかにして2030アジェンダの目標へ貢献できるか、そして、医療アクセスの確保、格差の軽減、技術教育の質的向上など、いくつかの緊急的なグローバル課題に取り組む絶好の事例として示すことができる。
◆ジャイルズ・プラットフォード武田薬品プラズマ デライブド セラピーズ ビジネスユニットプレジデントのコメント
世界的な血漿供給の課題への対処を支援し、必要とする患者さんにより多くの血漿分画製剤を提供するために、この新たな共同イニシアチブを通じて、武田薬品とUNITARのパートナーシップを拡大できることを嬉しく思う。
希少かつ複雑な慢性疾患を抱える世界中の患者さんの幅広い治療へのアクセスを可能にする医療インフラと政策の強化を支援し、血漿分画事業のエコシステムを変革するためには、多分野にわたる幅広いステークホルダーを結集した革新的なパートナーシップが不可欠である。