塩野義製薬、シオノギヘルスケア、ピクシーダストテクノロジーズは21日、世界アルツハイマーデーである同日に音刺激を通じた脳活性化の事業開始に向けた業務提携契約を締結したと発表した。
同提携契約に基づき、シオノギヘルスケアとPxDTは「音を用いた一般家庭向けプロダクト」の販売開始を目指す。PxDTは、同プロダクトの開発に取り組み、加えて、塩野義製薬とPxDTはこれまで進めてきた「音刺激による脳活性化および認知機能改善」に向けた共同研究のさらなる推進に取り組む。
認知機能障害の特徴の一つとして、脳の特定のリズム活動(ガンマ波)が低下していることが報告されている。塩野義製薬とPxDTは2021年より「生活に溶け込んだ形で、自然に五感を刺激することによって長期的な介入を可能とし、認知症ケアを実現する」というコンセプトを掲げ、感覚刺激による脳のリズム活動の変化に着目した新しいサービスの開発に向けた共同研究に取り組んできた。
その中で、脳の特定のリズム活動(ガンマ波)を強める可能性のある「音」を見出した。現在、テレビの音や音楽を自然な形で加工して特定のリズムの脳活動を強めるなど、「音」を通じたサービスの開発に向けたさらなるエビデンスの構築を進めている。今回の業務提携契約締結に伴い、シオノギヘルスケア、塩野義製薬、PxDTは、3社がそれぞれ有するノウハウを活かし、本事業の可能性を一層拡大できるよう連携して取り組みを進めていく。
◆三春 洋介塩野義製薬執行役員ヘルスケア戦略本部長のコメント
このたびの業務提携により、塩野義製薬とPxDTの共同研究を通じて見出された「音」を世の中に届けられる機会が得られたことを大変嬉しく思う。引き続き、両社で見出された「音」が持つ価値の検証を進めていく。また、塩野義製薬とPxDTは、音だけにとどまらない五感刺激による「生活に溶け込んだ認知症ケア」サービスの開発を進め、患者さんや社会の抱える困り事の解決に向けた新たなソリューションの提供に取り組んでいきたい。
◆吉本悟シオノギヘルスケア代表取締役社長のコメント
シオノギヘルスケアでは、“すべての人にやさしく、正しく、楽しくセルフケアを”をビジネスコンセプトに掲げ、セルフケアの浸透に取り組んでいる。日本国内の高齢化率は28.9%に達し、高齢者人口の増加に伴って、認知症はセルフケア領域においても重要な課題となりつつある。
こうした背景のもと、シオノギヘルスケアは、音刺激を通じた脳活性化の事業に参画し、PxDTと連携し全く新たなソリューションをお届けしていくことで、より多くのお客様の健康寿命の延伸をサポートし、セルフケア課題の解決を目指したい。
◆村上泰一郎ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役COOのコメント
PxDTが目指す視聴触覚を中心とした五感にまつわるデジタルイノベーションを、シオノギヘルスケア、塩野義製薬との連携を通じて、力強く推進することができると確信している。シオノギヘルスケアと共同で商品の販売を行っていくことで、両社の強みを活かしながら一人でも多くの方に商品をお届けし、一人ひとりのQOL向上と日本の抱える社会課題解決に取り組みたい。
また、塩野義製薬と連携し、今後は音だけでなく光をはじめとした様々な五感刺激で認知機能にアプローチする研究を推進し、そこで得たエビデンスと知見を活かして「生活に溶け込んだ認知症ケア」の実現に向けた商品の開発に連続的に挑戦していきたい。