飼養豚の咳音検知および豚舎環境モニタリングシステム全国で販売開始 ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン 

図1 SoundTalksモニター
図2 SoundTalks 豚舎内設置イメージ

 ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパンは29日、8月より離乳舎・肥育舎での豚群の咳音検知および豚舎環境のモニタリングシステム「SoundTalks」(図1、2)の全国展開を開始していることを明らかにした。
 「SoundTalks」は、豚舎に設置したモニター機によって24時間365日集音された咳音データと豚舎内の温湿度データをクラウド上のサーバーに蓄積し、「SoundTalks」のAIアルゴリズムにより、農場独自の咳の発生状況に基づいて飼養豚群の咳の状態を緑・黄・赤の3色で可視化して示すモニタリングシステムである(図3)。

図3 SoundTalks 機能イメージ


 養豚生産者のユーザーは、スマートフォンアプリまたはコンピューターのWebサイトを介して、そのデータをいつでも、どこからでも参照できる(図4、5)。

図4 SoundTalks データの可視化(イメージ)
図5 SoundTalks スマホでの参照データ(イメージ)

 豚舎内では、モニター機自体に搭載されているLEDが豚群の咳の状態に応じて緑・黄・赤に点灯するので、タイムリーで適切な飼養豚の健康管理が可能になる。
 ICT(情報通信技術)を活用したSoundTalksにより、養豚生産者は、リアルタイムで対象豚群の咳の状況や飼養環境(温度・湿度)を農場内外の関係者とで即時に共有できる。
 また、豚群の咳の状態は、農場独自の咳音データに基づいて緑・黄・赤で視覚化されるため、一目でわかり全員が同じ解釈を即時に共有できる。
 変化が生じた場合には、農場の現場スタッフ、さらには管理獣医師との早期連携により、豚の健康に影響を及ぼす豚舎環境変化への早期発見・早期対応が可能になり、飼養豚の健康維持につながる。
 結果として、少ない損失で継続的に健康で美味しい豚肉の生産・提供が可能となり、養豚生産者の生産性向上にも寄与する。なお、「SoundTalk」は、遠隔で診断を行う医療機器ではない。
 ベーリンガーインゲルハイムでは、グローバル規模で「SoundTalks」を広く展開し、米国、オランダ、ドイツ、ベルギー、中国、韓国など主要な養豚生産国15か国において、養豚生産者の飼養豚の健康維持管理を支援してきた経験と知見を有する。
 日本では、昨年11月から国内初となる「SoundTalks」の実証実験を開始し、現在、養豚におけるデジタル化を推進している臼井農産(本社・神奈川県)、 NTT東日本およびビオストック(本社・北海道)とともに実地運用している。その経過を踏まえ、今回、日本全国での本格展開を始めるに至った。

◆長谷部裕之ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン代表取締役社長のコメント
 SoundTalksの全国導入により、健康で安全な豚肉の提供に寄与することはもちろん、農林水産省が推奨するスマート農業の概念に則り、養豚生産者の作業の省力化・効率化をお手伝いし、少ない損失で継続的に健康で美味しい豚肉を生産するご支援ができることを嬉しく思う。
 これからも、こうしたサービスを通じて日本の養豚産業の関係者の方々や獣医師をさらに支援していきたい。

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