オプジーボと化学療法の併用療法 欧州医薬品庁が非小細胞肺がん術前補助療法として申請受理 小野薬品

 小野薬品は30日、オプジーボと化学療法(プラチナ製剤を含む化学療法2剤)の併用療法について、欧州医薬品庁が(EMA)切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法として申請を受理したと発表した。対象は、切除可能なステージⅠbからⅢaの非小細胞肺がん(NSCLC)患者。同社が提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が29日に公表したもの。
 同申請は、CheckMate -816試験の結果に基づいており、この申請受理により、申請資料の提出が完了し、EMAによる中央審査が開始される。
 ピボタルなCheckMate -816試験は、NSCLCの術前補助療法の設定で免疫療法薬による最初の肯定的なP3試験である。同試験では、オプジーボと化学療法の併用療法の3回投与は、化学療法単独と比較して、無イベント生存期間(EFS)および病理学的完全奏効(pCR)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 オプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでにNSCLC試験で報告されているものと一貫していた。
 CheckMate -816試験のpCRデータは、2021年米国がん学会(AACR)年次総会 で発表された。EFSの結果は、ルイジアナ州ニューオーリンズで開催される2022年AACR年次総会において、本年4月11日開催の臨床試験プレナリーセッションで発表される。
 CheckMate-816試験の結果に基づき、米国FDAは、2022年3月、切除可能(腫瘍4cm以上もしくはリンパ節転移陽性)なNSCLCの成人患者の術前補助療法として、オプジーボと化学療法の併用療法を承認した。
 現在までに、オプジーボを含む治療法は、NSCLC、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4つのがん腫の術前補助療法または術後補助療法において有効性の改善を示している。BMSと共同研究者は、術前補助療法に加え、非転移性NSCLCにおける術後補助および周術期の免疫療法、ならびに免疫療法と化学放射線療法の併用療法の使用を模索している。

◆BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当のAbderrahim Oukessou(M.D.)氏のコメント
 肺がんは、全世界でがんによる死因の第1位であり、残念ながら早期ステージに発見された事例が今もこの統計の一因となっている。手術を受けた患者さんの最大55%が、最終的には再発して亡くなっている。
 CheckMate -816試験では、オプジーボと化学療法の併用療法が、術前の使用によって再発を防ぎ長期的なアウトカムを改善する新しい治療選択肢のニーズを満たす可能性が示された。
 欧州連合において非小細胞肺がん患者さんを対象とした免疫療法薬の併用療法による術前補助療法の最初の承認に向けて、欧州医薬品庁と協力していく。

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