
生成AIを用いたカルテ作成プロダクトを提供するmedimo(本社:東京都)は28日、「AIによるカルテ作成に関する患者意識調査」結果を公表した。同調査は、直近1年以内に病院・クリニックを受診した20~69歳の573人の患者を対象としたもの。調査の結果、AIカルテの導入に「賛成」「どちらかというと賛成」と答えた人は63.5%、「反対」「どちらかというと反対」は36.5%であった。
賛成理由・反対理由のどちらでも「医師との対話」に関わる項目が上位に入り、患者がAIカルテに求めているのは効率化にとどまらず、「医師と向き合う時間」であることがわかった。同調査結果から、AIカルテが患者に受け入れられるうえで、「医師との対話」と「人による確認」が重要であることが見えてきた。調査結果のポイント、調査結果の詳細は、次の通り。
【調査結果のポイント】
◆賛成派・反対派ともに「医師との対話」を重視
AIカルテへの賛否を問わず、「医師が自分の話を聞いてくれるか」が判断に大きく関わる結果となった。
◆安心材料の1位は「医師による最終確認」(77.2%)
AIにすべてを任せるのではなく、医師が確認したうえで活用することが、患者の安心につながっている。
◆不安の多くは、まだ「知らないこと」から生まれている
AIカルテの内容を知っていた人は12.6%にとどまり、反対理由の2位は「AI自体をよく知らず、漠然と不安」(38.3%)であった。
一方、利用経験者の満足度は96.4%と高く、今後の普及には、医師が最終確認する仕組みや患者との対話を重視した活用方法を、わかりやすく伝えていくことが重要だと考えられる。
今後の普及には、AIによって生まれた時間を患者との対話に充て、医師が最終確認する仕組みを守り、その仕組みを患者にわかりやすく伝えることが重要だと考察される。
【調査結果の詳細】
Topic1. AIカルテの内容を知っていた人は12.6%。7割近くが「まったく知らなかった」
Topic1. AIカルテの内容を知っていた人は12.6%。7割近くが「まったく知らなかった」

AIカルテを調査前にどの程度知っていたかを聞いたところ、「内容を知っていた」人は12.6%にとどまった。「聞いたことはあったが、内容までは知らなかった」は20.0%、「まったく知らなかった」は67.4%で、合わせて87.4%が内容を知らなかった。
医療機関での導入が進む一方で、患者にはまだほとんど知られていないことがわかる。
Topic2. AIカルテの導入に、6割超が賛成

AIカルテ(医師と患者の会話をAIがテキスト化し、電子カルテの下書きを作成する仕組み)の導入について聞いたところ、「賛成」12.4%、「どちらかというと賛成」51.1%で、合わせて63.5%が賛成であった。「どちらかというと反対」は28.8%、「反対」は7.7%で、反対は合わせて36.5%であった。
Topic3. 賛成派も反対派も、焦点は「医師が話を聞いてくれるか」

賛成理由の1位は「記録の手間が減り、診察時間が増えそうだから」(54.1%)で、「医師が自分との対話に集中できるから」(30.2%)も挙がった。一方、反対理由の1位は「医師がAI任せになり、話を聞いてくれなくなりそうだから」(39.7%)であった。
2位以下は「AI自体をよく知らず、漠然と不安だから」(38.3%)、「記録内容が正確かどうか不安だから」(37.3%)、「話した内容が漏れる・悪用されるのが不安だから」(24.4%)と続く。賛成・反対のいずれの方も「医師が自分と向き合ってくれるか」を判断の軸にしていることがわかった。
Topic4. 安心材料の1位は「医師による最終確認」

AIカルテにどのような対策があれば安心できるかを聞いたところ、「とても安心できる」「やや安心できる」の合計が最も高かったのは「医師が最終的な内容を確認・修正するプロセスがある」(77.2%)であった。次いで「記録内容を患者自身も確認・修正できる」(73.3%)、「第三者機関によるセキュリティ認証を取得している」(71.4%)、「セキュリティ対策(通信の暗号化、第三者へのデータ提供なし等)がある」(70.6%)と続く。患者はAIに任せきりにするのではなく、最後は医師が確認する仕組みを求めていることがうかがえる。
Topic5. 体験した人はまだ1割未満。それでも満足度は96.4%

AIカルテ(またはそれに類する仕組み)を導入している医療機関を受診したことが「ある」人は9.6%にとどまった。「ない」は68.8%、「わからない」は21.6%であった。

ただし、受診経験がある人(n=55)の満足度は「満足」45.5%、「やや満足」50.9%で、合わせて96.4%にのぼった。「不満」と答えた人はいなかった。
◆ AIカルテ「medimo」について

AIカルテ「medimo」は、診察中の医師と患者さんの会話をもとに、AIがカルテの下書きを自動で作成するサービス。医療用語に対応した音声認識を備え、全国1000以上の医療機関で導入されている(2026年2月時点)。
医師は「medimo」を使用することで、キーボード入力から離れ、患者の顔を見て話を聞くことに集中できる。導入医師からは「モニターではなく患者に正面から向き合って話せるようになった」といった声が寄せられている。AIが作成するのはあくまで下書きで、最終的な記載内容は必ず医師が確認・修正する。
診察中の会話という機密性の高い情報を扱うため、セキュリティにも取り組んでいり。厚労省・総務省・経済産業省による「3省2ガイドライン」に準拠して運用しているほか、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO/IEC 27001」の認証を取得している。
入力されたデータがAIの学習に利用されない仕組みを整え、Amazon Web Services(AWS)の国内リージョン上で運用している。
