東邦薬品と災害時に備えた全北陸エリアへの身麻酔薬の新幹線輸送実験実施 丸石製薬

 丸石製薬は14日、東邦薬品と災害時の道路通行規制や港湾物流インフラの機能停止が懸念される北陸エリアへの医薬品供給を想定し、新幹線を活用した全身麻酔薬の緊急輸送実証実験を行ったことを明らかにした。
 両社は、ともにBCP体制構築検討会」の会員として、大規模災害時における医薬品の安定供給体制(BCP体制)の構築に向けた検討を重ね、その一環としてJR3社を結ぶ広域輸送ルートによる北陸エリアへのBCPモーダルシフトの実効性を検証したもの。
 JR東海、JR西日本、JR東日本およびJR各社のグループ会社の協力の下、災害時の道路通行規制や港湾物流インフラの機能停止が懸念される北陸エリアへの医薬品供給を想定し、新幹線を活用した緊急輸送実証実験を行った。
 大規模災害発生時には、道路の寸断や通行規制による、物流の機能不全が大きな課題となる。同実証実験では、地震や豪雪等により日本海側(北陸・能登エリア等)への供給網が寸断された状況を想定。
 高い復旧対応力と定時性を備えた新幹線による「太平洋側ルートのBCPモーダルシフト」が、医薬品の緊急輸送においてどの程度実効性を持つかを検証した。
 特に今回は、前回2026 年1 月に「東京~広島間」で行った実証実験からステップアップし、新たにJR東日本エリアも含めたJR3社を結ぶ広域輸送ルートでの新幹線物流へと進化させている。
 また、対象品目には、被災地での救命医療行為において極めて重要となる全身麻酔薬と手指消毒液を選定した。両剤は室温管理品であるが、輸送難易度の高い酷暑期における物流環境を見据え、東邦薬品が開発した定温搬送装置「サルム」を用いて厳格な温度管理下での物流実証実験を行った。
同実証実験において、広島駅から金沢駅までの新幹線輸送を含む全行程で、運行遅延や温度逸脱は発生しなかった。また、「サルム」内の温度管理も正常に機能し、製品パッケージの破損や、数量の相違も認められず、スムーズな輸送が完了した。
 これにより、「復旧対応力が高い新幹線の速達性・定時性」と「定温搬送技術」を組み合わせた物流オペレーションが、有事においても有効に機能することが確認できた。
 丸石製薬と東邦ホールディングスは、同実証実験の結果を踏まえ、今後、平時のみならず有事においても医薬品供給を途絶えさせないBCPを実現すべく、パートナーシップのさらなる深化を推進。業界やエリアの枠を超えた広域連携を押し進めて、より強靭で持続可能な医薬品供給体制の構築に一丸となって取り組んでいく。今回の実証概要は、次の通り。

◆実施日:2026年9月11日

◆積載物:全身麻酔・鎮静用剤プロポフォール静注1%20mL「マルイシ」、全身麻酔・鎮静用剤プロポフォール静注1%50mL「マルイシ」、ウエルパス手指消毒液0.2%

◆使用機材:東邦薬品の定温搬送装置「サルム」

◆輸送区間:東邦薬品物流センター TBC広島(広島県) → TBC北陸(石川県)
※広島駅から東京駅まで「のぞみ号」による新幹線輸送、東京駅で北陸新幹線に乗せ換え金沢駅まで「かがやき号」による新幹線輸送

◆各社の役割:
丸石製薬 =輸送医薬品の提供
東邦薬品=出発・着荷拠点における物流オペレーション、
JR東日本、ジェイアール東日本物流、JR東海、ジェイアール東海物流、JR西日本、ジェイアール西日本マルニックス=新幹線輸送の全体調整および駅構内における荷役等の実務オペレーション

◆検証内容:
①日本海側災害による鉄道、道路、港湾の機能不全を想定した、新幹線による太平洋岸迂回ルートのBCPモーダルシフトの可能性

②医薬品安定供給のためのJR3社連携による「本州広域輸送新幹線物流」の実効性確認

③酷暑期における定温搬送装置「サルム」を用いた厳格な温度管理物流の検証

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