アストラゼネカは19日、「テゼスパイア」(一般名:テゼペルマブ(遺伝子組換え)について、日本で鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎での製造販売承認を取得したと発表した。対象は、既存治療で効果不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)。
厚労省による同承認は、米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)と世界アレルギー学会(WAO)の共同会議で発表、また、New England Journal of Medicine に掲載されたP3 相WAYPOINT試験結果に基づくもの。
同試験では、症状コントロールが不十分な CRSwNP 患者が、テゼスパイアは鼻茸の重症度に関する共主要評価項目において、鼻茸スコア(NPS)は-2.08(95%CI:-2.40, -1.76、p<0.0001)および鼻閉スコア(NCS)は-1.04(95%CI:-1.21, -0.87、p<0.0001)といずれも 52 週時点のプラセボとの比較で有意な減少が認められた。
NPSの改善は4週目、NCS の改善は2週目と早期に認められ(いずれも投与後初回の評価)、52週目まで維持された。
また、プラセボとの比較によりテゼ スパイアでは試験期間中の鼻茸手術の必要性を 98%(p<0.0001)、全身性コルチコステロイド投与の必要性を89%(p<0.0001)減少させた。
CRSwNPは、鼻粘膜の持続性炎症と、それに伴う鼻茸として知られる良性腫瘍を特徴とする多様な炎症性疾患である。
現在の標準治療は症状を緩和させるものの、術後数年以内の再発が 40%以上 とされ、全身性コルチコステロイドの長期・反復使用に伴う副作用が課題である。
WAYPOINT 試験におけるテゼスパイアの安全性および忍容性のプロファイルは、既知のプロファイルと一致していた。
日本における承認は、コントロール不十分な CRSwNPに対する追加維持療法として、2025年の米国および EU での承認 に続くもの。また、テズスパイアは米国、EU、日本をはじめ世界 60 カ国以上で重症喘息の適応で承認されている。
◆鴻信義東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学教室 教授のコメント
CRSwNPは、しばしば治療が困難な場合があり、再手術や全身性コルチコステロイドによる継続的な治療が必要となることがある。テゼスパイアは、プラセボと比較して、鼻茸の大きさと症状を有意に改善し、手術の必要性や全身性コルチコステロイドの使用を統計学的に有意に減少させた。
本日の承認により、症状や疾患活動性を改善し、手術および全身性コルチコステロイドの必要性を減少させる治療の選択肢が増えることを嬉しく思う。
◆ヴィクラム チャンドアストラゼネカ執行役員 研究開発本部長のコメント
日本では、標準治療を受けているにもかかわらず症状コントロールが不十分な患者さんが依然として存在している。テゼスパイアは、炎症カスケードの上流に位置する上皮細胞由来サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に作用することで、炎症に関連する広範囲のバイオマーカーおよびサイトカインの減少 Page 2 of 5が認められている。
重症喘息に続く適応の拡大により、既存治療で効果不十分な鼻茸を伴う患者さんの疾病疾患負荷の軽減に貢献できると期待している。

