季節の二季化で「冬のジェットコースター不調」が増加 Z世代の約4割がAIに相談 第一三共ヘルスケア

遊園地にある「かん・らん・しゃ(乾乱遮)」対策を

 第一三共ヘルスケアは、全国の15〜69歳の男女1100人を対象に、冬の体調不良と対策に関する実態調査を行った。調査によると、8割以上の人が季節の変化が極端になっていると感じ、およそ4人中3人が「冬の体調管理が難しくなった」と実感していることが分かった。
 同社では、こうした急変する気候の影響を受ける冬の不調を「冬のジェットコースター不調」と命名し、ジェットコースター不調に陥る危険性を確認する「チェックシート」を内科医・正木初美氏監修の下に開発した。

二季化する日本の冬の「ジェットコースター不調」とは?

 今回の調査により、今の日本の季節は「変化が極端」(87.6%)で、「四季ではなく二季」(65.9%)と捉える人が多く、73.8%が、昨今の気候の変化に合わせた冬の体調管理は「これまで以上に難しくなっている」と感じている。
 このように急変する気候の影響を受ける冬の不調を同社では「冬のジェットコースター不調」と命名し、冬のジェットコースター不調 チェックシート」を作成した。このチェックシートは全10問からなり、今の自分の状況で当てはまるものをチェックするもの。1つでも当てはまるものがあれば、「冬のジェットコースター不調」の予備軍である。


冬のジェットコースター不調を乗り切るために、「乾・乱・遮( かん・らん・しゃ )」でセルフケアを

 「冬のジェットコースター不調」の予備軍だとしたら…。内科医・正木初美氏が、この不調を乗り切るための対処法として「かん・らん・しゃ(乾・乱・遮)」についてアドバイスする。
 「かん」は乾燥を防ぎ、「らん」は自律神経の乱れを整え、「しゃ」は冷気を遮るための対策だ。目が回るような「冬のジェットコースター不調」には、同じく遊園地にある「観覧車で対策を」と覚えて頂きたい。

【内科医・正木初美氏からのアドバイス】

◆乾:乾燥を防ごう!
 冬の乾燥で、鼻・のどの粘膜が弱くなり、冷気や寒暖差に過敏に反応しやすくなり、アレルギーのような症状を誘発する。また、人間は汗をかいていない状態でも水分を失うため、冬は「隠れ脱水」に要注意である。
 水分補給を怠ると、粘膜が乾き体内へのウイルス侵入リスクが高まる。そのため、加湿器やマスクを活用して空気の乾燥を防ぐことや、寝る前・起床時にコップ1杯の水を飲むなど、意識的な水分補給を心がけよう。

◆乱:自律神経の乱れに注意!
 急な気温低下は体に大きな負担がかかり、特に自律神経のバランスが乱れやすくなる。自律神経が乱れると、免疫力にも影響が出るため注意が必要だ。自律神経を安定させるために、衣類の重ね着をして体を常に温める、意識的に外出をしたり運動するなど、ちょっとしたことで構わないので心身を整える行動を取り入れてみよう。 また、急に寒くなると気圧の変化により頭痛が起こりやすくなるので、「気象病」にも注意しよう。

◆遮:冷気を遮断せよ!
 今冬は、例年より早く冷えを訴える人が多くなっている。冷たい風が体に当たると、鼻やのど、皮膚の表面が急に冷え、刺激に敏感になりやすくなる。そのため、冷気を“遮る”ことにより、寒暖差による体への刺激を減らすことが大切である。
 特に首元は冷気の影響を受けやすい部位のため、保温することで体が急に冷えるのを防げる。外出時はマフラーやスカーフ、ネックウォーマーを持ち、冷えを感じたら我慢せず、すぐに対応できるよう備えよう。

【冬の体調不良と対策調査結果】

◆四季がなくなり、季節の変化が極端化していると8割以上が実感し、およそ4人に3人が「冬の体調管理はこれまで以上に難しい」と痛感

 調査対象者に季節の感覚について聞いたところ、87.6%が「以前に比べて季節の変化が極端になっている」、65.9%が「日本の季節は『四季』ではなく、『二季』だ」と答え、日本の季節への感じ方が大きく変わってきているようだ[図1]。

 そのせいか、73.8%とおよそ4人に3人が「昨今の気候の変化にあわせた冬の体調管理は、これまで以上に難しくなっていると感じている」と答えている[図2]。

 
◆ここ数年で特に感じるようになった冬の症状は「乾燥」「手足の冷え」「寒暖差アレルギー」対策できていない症状としても上位に

 風邪、のどの乾燥、鼻冷えなど21の症状を提示し、冬に感じることがある症状、ここ数年特に感じる冬の症状を聞くと、「肌の乾燥」「手足の冷え」「のどの乾燥」など、冷えや乾燥がともに上位に挙がった。この両者を順位で比較すると、ここ数年特に感じることとして「寒暖差アレルギー」が7位から5位に2ランクアップしている。
 また、対策できていない冬の症状を聞くと、「手足の冷え」(19.3%)、「肌の乾燥」(15.4%)、「のどの乾燥」(14.1%)、「寒暖差アレルギー」(13.6%)、「肩こり」(12.9%)が上位に挙げられている。「寒暖差アレルギー」は対策できていない冬の症状でも4位とさらに上がっている[図3]。

 21症状は、鼻冷え(鼻が冷たい)、睡眠の質の低下、のどの乾燥、(冬)頭痛、微熱やだるさ、風邪、手足の冷え、冷えのぼせ、不快感を伴う冬汗、水分不足(かくれ脱水)、寒暖差アレルギー、疲れやすい、だるさ、気分の落ち込み(冬季うつ傾向)、肩こり、腰痛、首のこり、口の渇き・だ液の減少・舌の渇き、唇の乾燥、肌の乾燥、立ちくらみ・めまいを指す。
 また、寒暖差アレルギーは、体が急な温度差に対応しきれず、体温などを調節する自律神経のバランスが乱れることで起こる鼻炎で、主に鼻の症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみなど)が現れ、医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、アレルギーではないとされている。

◆冬の不調対策TOP3 「手洗い・うがい」「温かい飲み物・食べ物の摂取」「湯船につかる」
 睡眠を多めにとる、日に当たるなど17項目の中から、冬の体調不良の対策として行っていることを聞くと、「手洗い・うがいをする」(45.5%)、「温かい飲み物や食べ物をとる」(45.2%)、「湯船につかる」(36.7%)が上位に挙げられました[図4]。
 ここ数年で特に感じるようになった冬の症状として、「乾燥」や「寒暖差アレルギー」などが挙げられているが、対策として「まめに水分補給をする」と答えた人は20.1%、「室内の湿度を一定に保つ」と答えた人は15.7%しかいない。
 アンケートで提示した17項目は、睡眠を多めにとる・心がける、日に当たる、意識して運動したり、筋トレやストレッチなどで体を動かす、湯船につかる、3首(首、手首、足首)を冷やさない、おなかを冷やさない、手洗い・うがいをする、まめに水分補給をする、温かい飲み物や食べ物をとる、生姜・ネギ類などを温める食材をとる、腸内環境を整える食品を多めにとる、栄養バランスの良い食事を心がける、サプリメントやビタミン剤などをとる、廊下や洗面室なども暖かくして生活空間の寒暖差に気をつける、室内の湿度を一定に保つ、体温・体重・血圧などを定期的に計測・記録する、不調や体調不良を自覚したら早めに市販薬などを服用する

◆冬の体調管理、「AIに相談」するZ世代は約4割、シニア世代の60代は約1割一方、「頭寒足熱」を認知しているシニア世代の60代は74.5%、Z世代は35.3%
 冬の体調管理についてAIに相談するかと聞くと、全体では26.5%とおよそ4人に1人が相談していることが分かった。年代別に見ると、Z世代(15〜29歳)では41.0%と4割以上がAIに相談しているが、シニア世代はぐっと下がり60代では11.0%であった[図5]。

 一方、古くからいわれている健康法の「頭寒足熱」は、51.3%と半数以上が認知しているが、実践率は32.1%であった。年代別に見ると、50代(認知率60.5%、実践率40.0%)・60代(認知率74.5%、実践率48.5%)は認知率も実践率も高いのに対し、Z世代は認知率(35.3%)・実践率(22.3%)ともに低くなっている[図6]。

「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」は、頭を涼しく保ち、足元を温かくするという東洋医学に基づく健康法で、血行促進、疲労回復、集中力アップ、安眠効果などが期待できる。現代人は、頭に熱がこもり足が冷える「頭熱足寒(ずねつそっかん)」状態の人が多いため、全身のバランスを整えるのに役に立つといわれている。

【正木初美医師による調査結果の考察と対処法】

 今回の調査では、多くの方が今の日本の激しい季節変化を感じる結果となっている。私のクリニックでも、患者さんから「秋がない、春がない」「二季ですね」という話を聞く。そんな話の中で、倦怠感やしんどさの相談を受ける。特に今冬は例年より早く、乾燥や冷えを訴える患者さんが多い。
 診察すると脱水や水分不足の人が多く、便が固いとか便秘がちになったり、自律神経の乱れから倦怠感を感じたり、尿検査で脱水症状と診断されて点滴をする患者さんもいる。老若男女問わず、そういった症状を挙げる患者さんが少なくないようだ。

「冬のジェットコースター不調」には気温差に対処できる服装を心がけて

 二季化により夏から急に冬が来て体が整わないとか、同じ日でも朝寒くて昼暑くて寒暖差が激しいとか、暖房がすごくきいている場所もあれば寒い所もあるなど、ジェットコースターのような激しい気温差を感じる。
 皆さん体温の調節がしづらく、体調管理が難しくなっているようだ。気温の変化による不調を訴える患者さんに対して、気温差への対応ができるよう、脱ぎ着できる服装を心がけ、マフラー・ネックウォーマー、スカーフなど、首に巻いたり、膝にかけられるものを持ち歩いたり、また、入浴は自律神経を整える効果が高いので、シャワーではなく湯船につかるようアドバイスしている。

自分では気付かない「寒暖差アレルギー」 10日以上続くようであれば医療機関に相談を

 今回の冬のジェットコースター不調のチェックシートも「乾・乱・遮(かん・らん・しゃ)」の対処法も、患者さんに向けたアドバイスを基にまとめた。チェックシートの該当数が多いからなりやすいというわけではなく、一つでも該当すれば予備軍だ。
 二季化による寒暖差への対策は、秋から冬にかけてと冬から春にかけてとはほぼ同じである。去年の秋ぐらいからアレルギー症状が続いているという方が増えている。鼻水が出る、体がかゆい、目のまわりがかゆい、のどがかさかさする、せき喘息、頭痛・肩こりなど、花粉症のような症状が続いたり、症状がだんだんひどくなる場合は、寒暖差アレルギーかもしれない。
 自身では気付いていない人も多いが、アレルギーの場合、熱は出ずに、日によって症状があったりなかったりしてつい我慢してしまう人もいる。だが、症状が10日くらい続くようなら、我慢しないで医療機関を受診しよう。

体調管理が難しい季節、セルフケアで自分の変化に向き合う時間を

 今回の調査ではZ世代の約4割が冬の体調管理をAIに相談しているが、こんなこともAIに相談する時代なんだなと感じた。ただ、AIも間違う可能性があるので全部を信じ込むのは禁物。症状が改善しなければ、かかりつけ医に相談してほしい。
 古くからいわれている「頭寒足熱」は、体にとって必要である。最先端の情報だけでなく、昔からの健康法を大切にすることも忘れないでほしい。
 また、最初にお話しした通り、「冬のかくれ脱水」が気になる。夏は水分をとることに一生懸命だが、冬になると急にとらなくなるので水分補給は忘れずに。温かい飲み物を飲んだほうが体も温まるのでおすすめだ。
 また、湯船につかって体を温めるのは良いが、風邪の症状があるときはケースバイケース。熱がある時は入らない、症状がひどくてしんどい時も入る必要はない。それ以外の鼻水やせき程度であれば、体を温めた方が眠りやすくなるので、湯船につかった方が良い。体調管理が難しくなる冬、自分と向き合うセルフケアを通して、自身の体調の変化に気付けるようになっていただきたい。

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