うつ病治療薬「ザズベイ」 国内で製造販売承認取得 塩野義製薬

 塩野義製薬は22日、うつ病治療薬「ザズベイ」(一般名:ズラノロン)について、同日付でうつ病・うつ状態を適応症とした日本での製造販売承認を取得したと発表した。
 ザズベイは、新規作用機序を有するうつ病治療薬で、国内で実施したP3相検証試験の結果、ザズベイの1日1回30mgの14日間投与で有効性と安全性が確認され、投与開始後早期から症状の改善が期待される即効性を示した。さらに、投与後6週間以上の休薬を挟んだ再投与時においても、有効性と安全性が確認されている。
 主要評価項目は、14日間の治療終了時におけるHAM-D17合計点のベースラインからの変化量で、治療群では平均変化量が-7.43であり、プラセボ群の-6.23と比較して統計学的に有意差を示した(群間差:-1.20;95%信頼区間:-2.32,-0.08;p<0.0365)。ザズベイは、これらの良好な結果に基づき、今回、日本における承認を取得した。
 日本におけるうつ病の患者数は約500万人と推計されており、非致死性疾患の中でも、社会的影響や健康負担が大きい疾患の一つである。また、従来の治療薬は効果発現までに数週間を要することが多く、即効性のある治療薬が求められていた。
 ザズベイは、治療介入が必要なうつ病患者に対し、短期間でうつ症状を改善に導くことで、うつ病領域における重要なアンメットニーズに応えることが期待さる。なお、同件が2026年3月期連結業績に与える影響は軽微である。

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