FRONTEOは18日、参天製薬と同社のAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下「DDAIF」)」を活用した新規標的分子探索およびドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトを開始したと発表した。
眼科領域は、高齢化の急速な進展や生活習慣病の増加等を背景に市場拡大が続いている一方で、依然として治療が困難なものが多数存在する。そのため眼科領域における新規治療薬の創出は国内外で喫緊の課題となっている。
こうした状況の中、日本発の先端AIを眼科創薬に本格適用する今回の取り組みは、医薬品研究開発の効率化と成功確率の向上を同時に実現し得る試みである。
同共創プロジェクトでは、参天製薬が長年にわたり蓄積してきた眼科領域の臨床・研究に関する知見と、FRONTEOのDDAIFが有する、既存の論文で報告されていない未知の標的分子と疾患の関連性を非連続に抽出する独自技術を組み合わせることで、根本的な治療薬がなく、世界的に開発ニーズの高い領域における革新的な治療薬の創出を目指す。
具体的には、参天製薬が注力する疾患領域に対するドラッグリポジショニングを推進するため、FRONTEOのDDAIFを活用して新規標的分子候補を抽出し、それに紐づくリポジショニング候補薬の探索を行う。
FRONTEOは、AI創薬のリーディングカンパニーとして、自然言語処理に特化したAIの研究開発とその社会実装を通じ、革新的医薬品の研究開発とアンメット・メディカル・ニーズ解消に貢献し、「日本を再び創薬の地へ」の理念の下、医薬品産業を自動車、半導体に次ぐ基幹産業へと成長させ、薬を必要とするすべての人に適切に届けられるフェアな世界の実現を目指す。
◆豊柴博義FRONTEO 取締役/CSO(Chief Science Officer) のコメント
FRONTEOのDDAIFは、独自の自然言語処理技術と解析手法により、既存の論文には未だ報告されていない疾患と標的分子の関連性や疾患メカニズムを、文献情報から非連続に抽出できることを強みとしている。一般的に、データドリブンアプローチで未知の標的分子を見出すには膨大なデータ量が必要とされるが、FRONTEO独自のアルゴリズムは、論文やオミクスデータの少ない領域においても高精度のアウトプットを提示することが可能である。本技術を眼科領域における新規性の高い標的分子の発見と創薬に活用できることを嬉しく思う。
◆島田 久生参天製薬眼科イノベーションセンター Head of Pipeline Creationのコメント
FRONTEOのAI創薬支援サービスは、非連続的発見の概念に基づく解析により、研究初期に質の高い仮説が抽出可能であると認識している。本共創を通じて得られる示唆を丁寧に検証し、初期意思決定の確度と探索効率の向上、および眼科領域研究における創造性や可能性の拡大を期待している。

