アッヴィ合同会社は15日、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬「アトゲパント」について、国内で成人の片頭痛発作の急性期治療に関する医薬品製造販売承認を申請したと発表した。
片頭痛は、世界中のあらゆる地域において、10億人を超える人々に影響を及ぼしており、国内の疫学研究では、15歳以上の片頭痛の有病率は、8.4%と報告されている。片頭痛患者にとって、片頭痛の発症は日常生活に影響を及ぼすだけでなく、労働生産性の低下や社会的活動への制限が生じていることが報告されている。
片頭痛は25~55歳に多くみられる疾患である。特に30歳~40歳代の女性に多く、有病率は30歳代女性では約20%、40歳代女性では約18%である。
片頭痛は、神経学的病因があると考えられているが、詳しい病因や病態生理は不明な点が多いのが現状である。片頭痛の主な症状は、中等度又は重度の疼痛のある拍動性や片側性の頭痛の発作が4~72時間程度持続し、悪心や嘔吐、光過敏、音過敏を伴うことを特徴とする。日常動作により頭痛が増悪することも多く、生活に大きな支障をきたすことがある。
近年、片頭痛の治療選択肢が増える中、アッヴィは経口CGRP受容体拮抗薬であるアトゲパントの開発に着手し、2025年3月に片頭痛発作の発症抑制に関する製造販売承認を申請、今回は急性期治療に関する製造販売承認を申請した。

