第一三共は10日、ハーセプチン(抗HER2抗体薬物複合体[ADC])について、HER2発現の卵巣がん一次維持療法P3試験(DESTINY-Ovarian01)の最初の患者への投与を開始したと発表した。
対象は、HER2発現(IHC 3+/2+/1+)の進行性卵巣がんへの一次維持療法。同試験は、HER2発現(IHC 3+/2+/1+)の進行性高異型度上皮性卵巣がん患者を対象に、プラチナ製剤ベースの化学療法とベバシズマブ(分子標的治療薬)の併用療法による治療後の一次維持療法として、ハーセプチンとベバシズマブの併用療法の有効性と安全性を、ベバシズマブ単剤療法と比較して評価するグローバルP3試験である。
主要評価項目はIHC 3+または2+の患者における無増悪生存期間で、重要な副次評価項目はIHC 3+または2+の患者における全生存期間である。その他の副次評価項目には、全患者集団(IHC 3+/2+/1+)における無増悪生存期間および全生存期間等が含まれる。
日本を含むアジア、欧州、北米および南米において、約580名の患者を登録する予定である。
なお、同試験の開始は、前治療歴のあるHER2発現の進行性固形がん患者を対象とした同剤のP2試験(DESTINY-PanTumor02)における、卵巣がん患者を対象としたサブグループ解析の結果に基づくもの。

