非小細胞肺がん経口治療薬「ヘルネクシオス錠」発売 日本ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムは12日、非小細胞肺がん経口治療薬「ヘルネクシオス錠」(一般名:ゾンゲルチニブ)を発売したと発表した。
 ヘルネクシオス錠は、非小細胞肺がんに対する分子標的薬として、国内初の経口薬となる。対象は、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん。薬価は、ヘルネクシオス60mg 1錠 1万3881.90円。
 ヘルネクシオス錠は、HER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能または転移性の固形腫瘍患者を対象に、単剤療法として評価されたP1相非盲検用量漸増試験(用量の確認と拡大を含む)Beamion-LUNG-1(NCT04886804)の結果に基づき、本年9月19日に製造販売承認を取得した。
 同試験では、治療歴のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者における客観的奏効率(ORR)は71%(95% CI: 60-80)、完全奏効率(CR)は7%、部分奏効率は64%で、病勢コントロール率(DCR)は96%を示した。
 最も多く報告された有害事象(AE)はグレード1の下痢(48%)で、グレード3以上の治験薬との因果関係のあるすべての有害事象は17%であった。
 肺がんは、他のがんよりも多くの人の死因となっており、発生率は上昇し、2040年までに世界で300万人以上に増加する見通しだ。NSCLCは、その中でも最も一般的であるが、診断が遅れることが多く、診断後の5年生存率は患者10人に3人を下回る。
 進行性の非小細胞肺がん患者は、日常生活の中で身体、精神、感情面でさまざまな影響を受けるため、依然として新たな治療オプションに対する高いアンメットニーズが存在する。
 肺がんの約4%は、HER2遺伝子異常によって引き起こされる。HER2の遺伝子変異は、過剰発現や過剰活性化を引き起こし、制御不能な細胞産生、細胞死の阻害、腫瘍の成長・進展につながる。

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