2026年3月期通期連結業績予想を下方修正 武田薬品

 武田薬品は30日、本年5月8日に公表した2026年3月期の通期連結業績予想を下方修正すると発表した。
 修正予想は、売上収益4兆5000億円(当初予想比300億円減)、営業利益4000億円(750億円減)、税引前利益2430億円(640億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1530億円(750億円減)。
 修正理由は、売上収益では、主に炎症性腸疾患治療薬「エンタイビオ」の売上予想を修正したことに加え、米国におけるADHD治療薬「ビバンセ」の後発品の市場浸透による減収影響が当初の想定を上回り大きくなっていることを反映したものである。これらの影響は、前提為替レートの見直しによる増収影響により一部相殺される見通しだ。
 営業利益は、主に収益性の高い製品の減収影響に伴い製品構成に係る利益影響が悪化する見通しであり、一部製品の取引通貨に係る為替影響の減益影響の見込みと、製品に係る無形資産減損損失の予想値を増額したことによるものである。
 これらの影響は、研究開発活動の優先順位付けや全社的な効率化プログラムを含めた追加のコスト節減効果による営業経費全般にわたる費用削減の実現により一部相殺される見通しである。
 税引前当期利益は、金融収益と金融費用をあわせた金融損益が1560億円の損失となり110億円減少(△6.6%)する見込みであるものの、主に営業利益の減益修正により、640億円減益(△20.8%)の2430億円を見込んでいる。
 税引前当期利益は減益になる一方で、主に減損損失に係る税務上損金として認められない費用および繰延税金資産の取崩額の増加により、税金費用は当初公表予想と同じ水準となる見込みで、実効税率は約37%を前提としている。

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