ギリアドは28日、「HIV流行終結に向けた取り組みを支援する寄附プログラム」で3団体の活動を採択したと発表した。
本年4月から6月までに応募した活動の中から、審査の結果採択したもの。採択されたのは、NPO法人akta、沖縄HIV臨床カンファレンス、独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターの3団体。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2025年までの95%の診断率、95%の治療率、95%のウイルス抑制達成率を満たす「95-95-95」を掲げており、2030年までに新規感染者ゼロの実現によるHIV流行終結を目標にしている。
日本においては、厚労省が発表したデータによると、2024年に新たに報告されたHIV感染者およびエイズ患者の合計は994件であった。
このうち、HIV新規感染者は662件で、前年と比べてほぼ横ばいであった。その一方で、エイズ患者は332件と2年連続で増加しており、新規報告数全体に占める割合は33.4%と過去20年間で最も高い水準となっている。
こうした状況を踏まえて、ギリアドは非営利団体を対象にHIV流行終結に向けた課題解決のための活動を募集し、応募の中から「影響度」 「実現性」「持続可能性」「新規性」などの審査基準に基づき、ギリアドの審査委員会による厳正な審査を経て、3団体の活動への寄附を決定した。3団体の活動概要は、次の通り。
①NPO法人akta(東京都新宿区)
「HIV 検査を基点とした『つながる』検査体制の構築 〜地方展開・AI 支援・政策提言による包括的アプローチ〜」
・郵送検査ディスペンサーの地方展開と利用促進、AIチャットボットによる検査前後の支援体制の構築、自己検査キットの制度化に向けたアドボカシー活動を行う
②「沖縄HIV臨床カンファレンス」(沖縄県宜野湾市)
「U=Uプロジェクトin沖縄」
・U=U、AIアシストチャットボットを活用した複合的HIV予防戦略とともにHIVスティグマを軽減する取り組みを行う
③「独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター」(愛知県名古屋市中区)
「iTesting Caravan」
・従来の保健所検査と異なり、利便性の高い会場での匿名・予約不要のHIV・梅毒検査の提供、後日ネット上で検査結果通知を行う。予約不要・院外実施型HIV検査モデルの社会実装を行う
◆ ケネット・ブライスティング代表取締役社長のコメント
今回採択された3団体の活動は、いずれもHIV流行終結に向けた課題解決のために貢献いただけるものと確信している。ギリアドは、今後もコミュニティ、医療従事者、自治体とともに、HIV流行終結に向けた取り組みを推進していく。

