パーキンソン病治療薬「ND0612」 米国で承認されず FDAから審査完了報告通知受領 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は23日、完全子会社のニューロダーム社(本社:イスラエル)が運動症状の日内変動を有するパーキンソン病治療薬として開発中の「ND0612」について、米国FDAより承認に至らなかった理由、不備な点などを指示する審査完了報告通知(Complete Response Letter、CRL)を受領したと発表した。
 今回、FDAからは、製剤の製造所および非臨床情報に対して指摘があった。これを受け、田辺三菱製薬グループは、引き続きFDAと緊密に連携しながら、再々申請を目指す。
 ND0612の米国における開発については、田辺三菱製薬が2023年にFDAに対しNDAを提出したが、2024年6月にFDAから審査完了報告通知CRLを受領。同CRLで指摘されたND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供や、製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報の提供を中心に、本年5月、FDAに承認再申請していた。
 ND0612は、レボドパとカルビドパを液剤化し、注入ポンプを用いて患者に24時間持続皮下投与する治療薬である。経口のレボドパ/カルビドパ治療では、レボドパの血中濃度の変動により安定した臨床効果を得るのが難しいというアンメット・メディカル・ニーズがある。ND0612は、レボドパ/カルビドパを24時間持続皮下投与することで、従来の経口治療と比べてレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することで、パーキンソン病患者の運動症状の日内変動を減少させることが期待される。

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