複業・学びなど自己成長と社会への還元を支援
ロート製薬は20日、新しい働き方制度「ビヨンド勤務」を導入すると発表した。同制度は、社員一人ひとりが自らの意思でキャリアを描き、社会との接点を広げながら成長できる環境づくりを目的としたもの。社員発の新しい働き方制度で、本年10月よりエントリーを開始し、来年4月から運用を開始する。
「ビヨンド勤務」は、週3日または週4日の勤務を基本とし、残りの日数を複業や学び、社会活動、資格取得などに充てることができる勤務形態だ。
同社は、社員の心身の健康を基盤とし、仕事・家庭・学びなど人生全体の充実を目指す「ROHTO Well-being LIFE 宣言」を掲げている。同制度は、宣言を具体化する取り組みの一つとして、社員が自らの意思で学びや挑戦に取り組み、その成長を社会へ還元することを、会社として後押しするものだ。
「ビヨンド勤務」は、社外での複業経験を持つ社員を中心としたチームの提案から生まれた。社内有志によるプロジェクトでの議論を通じて、「成長意欲はあっても、時間や環境の制約により挑戦しにくい」という課題が明らかになり、社員・人事・経営陣の対話を経て制度化に至った。
同制度は、一般的に「週休 3 日制」や「週休 4 日制」と表現される働き方に該当する。だが、同社では単に勤務日数を短縮するものとしてではなく、新たに生まれる1日・2日を自己成長および会社・社会への還元に充てることを目的とした制度として位置づけている。
制度名の「ビヨンド(Beyond)」には、「未来を見据え、自分の枠・働き方の枠を超えて成長する」という意味が込められており、社員が社外での経験や学びを通じて得た知見を職場に還元し、組織全体の活性化と、新たな価値創造につなげていくことが期待される。
また、本年10月には、これまでのフレックス勤務制度を改定した「コアなしフレックス制度」を導入した。時間に縛られない柔軟な働き方を可能にし、育児や介護などライフステージに応じた働き方を希望する社員はフレックス制度を、挑戦や学びを深めたい社員はビヨンド勤務を選択するなど、目的に応じた働き方の選択肢を広げている。「ビヨンド勤務」制度概要は、次の通り。
・勤務日数:週 3 日または週 4 日勤務(固定制・上長承認制)
・勤務時間/業務量/給与:勤務日数に応じて業務量を 3/5 または 4/5 に設定し、給与も同割合で算出
・福利厚生および評価制度:週5日勤務の社員と同等
・活用条件:複業、学び直し、社会活動、資格取得など、自己成長・自己実現に資する活動に活用可能
ロート製薬は、これまで「社外チャレンジワーク(複業制度)」「リスキリング休職制度」「社内起業家支援制度『明日ニハ』」など、社員の自律的なキャリア形成を支援してきた。「ビヨンド勤務」は、これらの取り組みをさらに発展させるもので、社員が自らの意思で働き方を選択し、得た経験や知見を会社・社会に還元していくことを目指している。
同社は、今後も、社員一人ひとりの挑戦を支援しながら、「個人・会社・社会がともに成長する Well-being 経営」を推進していく。
◆週3日/週4日勤務制「ビヨンド勤務」を提案した社員のコメント
複業として、異なる規模や事業フェーズ、文化を持つ組織で働き、ロート製薬の仕事だけでは出会えなかった人や価値観に触れることができた。
本業においても考え方や判断軸のバリエーションが広がり、自身の成長やウェルビーイングを高めることにつながっている。この経験から「働く人の挑戦をもっと後押ししたい」と思い、ビヨンド勤務を提案した。
実現までの過程で、社員の声に真摯に耳を傾け、想いを信じ、実現を応援してくれる柔軟で前向きな企業文化に、深く感謝している。社員が自らの可能性を広げ、社会に新たな価値を創出できる環境を、これからも共に育てていきたい。