8月よりミルボン、Haleonジャパンと共同配送開始 ロート製薬

【積み付けの様子】上段:ロート製薬製品、下段:ミルボン製品

 ロート製薬は8日、ミルボン、Haleonジャパンとの3社による共同配送を8月より開始したと発表した。
 共同配送は、持続可能なサプライチェーン構築を目的とした物流効率化の取り組みとして実施するもの。東陽倉庫の協力のもと、3 社における共同配送を8 月より開始した。
 物流業界では、慢性的な人手不足、ドライバーの長時間労働などにより業界全体の持続可能性が課題となっている。顧客に安定的に製品を提供するため、荷主であるロート製薬としても、物流業界のこれらの課題解決に貢献し、顧客へより安定的に製品を届けるために、従来より、積み付け方法を工夫するなど効率的な輸送に取り組んできた。
 一方で、パレット規格や製品仕様の制約により積み込み時に余剰空間が発生するなどの課題があったため、より一層の効率化に向けて、配送ルートに共通性があった3社で製品を混載する共同輸送システムを構築した。
 このシステムにより輸送効率の最大化を図るとともに、CO2 排出抑制、ドライバーの働き方改革など、サプライチェーンに関わるみなさまの持続可能性へ貢献していく。
 取組み前の各社の課題と取組み内容については、ロート製薬では、三重県伊賀市の製造拠点である上野テクノセンターから、神奈川県相模原市の東陽倉庫が運営する倉庫へ製品を輸送。製品規格サイズによっては平積みで輸送する必要もでてくるため、輸送時の余剰空間が発生し積載率が課題となっている。
 ミルボンでは、三重県伊賀市の製造拠点であるゆめが丘工場から、埼玉県加須市の倉庫まで製品を輸送。単独での積載効率化の限界や過剰供給リスクなどが課題であった。
 Haleonジャパンは、神奈川県相模原市に拠点を持つ企業に展開製品の一部の製品製造を委託し、製造委託先で生産された製品の工場倉庫を担う同市の東陽倉庫が運営する倉庫から、埼玉県加須市の自社物流拠点へ製品を輸送している。製品規格サイズにより平積みで輸送するため、輸送時の余剰空間が発生し積載率が課題であった。
 こうした中、パレットサイズ、輸送量、製品安全の問題など、各社の様々な制約条件をクリアするため、共同配送に適した製品選定、積載技術の検証、品質テストを実施。製造拠点と倉庫間をリレー方式で繋ぐことで、積載効率の最大化、ドライバースイッチ等、長距離輸送でも過負荷なく運行できる体制を整えた。

【図】3社共同配送の取り組み

 週1回共同配送を実施した場合の具体的な効果は、次の通り。
・積載率 :13.7%向上(平均 66.5%→75.6%)

・輸送効率 :トラック 102 台/年(67.1%)削減

・総合輸送距離:15,428km/年(38.6%)削減

・CO₂削減量:13.3t-CO₂/年(32.8%)削減

・上記輸送効率化において 18.4%コスト削減および 1 運行単価 19.2%改善。相互扶助並びにドライバーの雇用環境改善に寄与 

 今後は、現在、月1便で実施している同スキームを、週1便へ増便することで、定期化・安定運用を図るとともに、同取り組みにより得た成功事例やノウハウを活かし協力企業を増やすして拠点拡大を目指す。
 また、タイムスケジュールの自動化など物流 DX を推進し、積載率の最適化や省人化のさらなる推進を図る。同取り組みをサプライチェーン上流の原材料・資材調達物流、搬入物流や下流の販売物流分野へも拡大することで、サプライチェーン全体の持続可能性の向上に貢献し、社会・環境課題の解決に繋げていく。

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