AGRI SMILEとバイオスティミュラント技術活用で資本業務提携締結 ロート製薬

 ロート製薬は26日、AGRI SMILE(本社:東京都)と同社のバイオスティミュラント技術活用を目的とする資本業務提携契約を締結したと発表した。
 同提携により、AGRI SMILE のバイオスティミュラント技術を活用し、ロート製薬が取り扱う化粧品などヘルスケア領域の原料作物の安定生産や品質向上を実現する体制の構築を目指す。
 バイオスティミュラントは、植物への接触により植物に刺激を与えて、植物自らの作用を促す資材の総称を意味する。バイオスティミュラントを植物に散布すると、植物の「生理機能」に刺激を与える。植物の組織はその刺激を受けて、自ら生理機能を活性化して、環境ストレスを乗り越えるための体づくりを行う。
 その結果、栄養成分の取り込みや利用効率を改善したり、高温などの環境ストレス(非生物的ストレス)に対する耐性を改善する。
 バイオスティミュラントは、地球温暖化による栽培課題の対策として期待されており、特に欧米では、気候変動対策による普及が拡大。2012年に、世界で初めて政府関連文書として、欧州委員会がバイオスティミュラントの基礎となる定義を発表して以降、バイオスティミュラントに関わる定義やルール化が進められてきた。
 日本では、農林水産省が本年5月30日、農業者にとって効果のあるバイオスティミュラントを安心して選択・使用できる環境を整えるため、事業者がバイオスティミュラントを取り扱うに当たって留意すべき事項を取りまとめた「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定した。
 AGRI SMILE は、「テクノロジーによって、産地とともに農業の未来をつくる」を経営理念に、豊かな経験を持つ産地と先進的なサイエンステクノロジーを掛けあわせ、環境負荷の少ない持続可能な農業の実現に取り組んでいる。
 特に近年は、気候変動の影響によって植物へのストレスが深刻化し、生育環境が不安定になる中で、バイオスティミュラント資材の活用により、作物の安定生産と高品質化を実現する農業技術の確立を目指している。
 ロート製薬は同提携を通じて、AGRI SMILEのバイオスティミュラント技術を活用し、社会課題である気候変動が進む中でも、ヘルスケア関連原料の作物の栽培において、環境にやさしく高品質で安定的な生産体制の構築を目指す。また、原料作物の機能性を高める栽培手法の開発なども検討を進め、新たな価値を創造していく。
 なお、同件が 2026 年度のロート製薬連結業績に与える影響は軽微で、今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに告知する。

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