重症虚血肢HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」 米国でBLAに向け準備、BI社との原薬供給契約最終調整 アンジェス

 アンジェスは8日、米国で開発中の重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、臨床試験を完了し、生物製剤認可申請(BLA)に向けた準備を進めると発表した。これに伴い、ベーリンガー・インゲルハイム・バイオファーマシューティカルズ社(BI社)と同製品の原薬供給に関する契約締結に向けた最終調整を進める。
 コラテジェンは、HGFの血管を新生する作用を利用し、世界初のプラスミドDNA技術を用いた治療用製品として、慢性動脈閉塞症の下肢潰瘍の改善薬として米国での開発が進められている。今回、米国におけるP2試験で良好な結果を得られたため、昨年9月18日付けで米国FDAよりブレイクスルーセラピー(画期的新薬)指定を受けた。同指定は、重篤な疾患に対する治療薬の開発と審査を迅速化するための制度を適用するもの。臨床的に重要な評価項目において、既存の治療法よりも顕著な改善が見込まれるとFDAが認めたことを意味する。これまで事例から、審査期間の短縮や承認の可能性向上が期待される。
 その後、アンジェスはFDAと継続的に協議を重ね、提示された課題に対する対応を進めてきた。今回、FDAとの協議が前進する環境が整ったことを受け、「コラテジェン」の臨床試験を完了とし、BLA申請に向けた準備を進める。
 今後は、FDAと協議を継続しながら申請書類の作成等を進めていく。臨床試験が完了としてBLA申請が可能となれば、開発費用及び期間の大幅な削減が見込まれる。
 また、これに伴い、BI社と当製品承認後に向けた原薬供給に関する契約締結に向けた最終準備に入る。契約の詳細については、今後BI社と協議を通じて決定していく。なお、今回の開発推進とBI社との協議による2025年連結業績予想への影響はない。

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