医薬品の安定供給強化で製造・供給部門にAI需要予測開始 武田薬品

 武田薬品は4日、日本の製造・供給部門において、AIを活用した新たな需要予測モデルに基づく生産計画の運用を開始したと発表した。
 AIによる需要予測の開始は、医薬品の安定供給の強化を見据えたもの。従来の需要予測モデルは、過去実績に基づく統計と担当者の知見を組み合わせたものであった。だが、今回のAI導入により、膨大なデータの非線形な傾向や複雑な相関関係も捉えられるようになり、より高精度かつ網羅的な予測を行うことが可能となる。
 AIによる予測データに基づき、人の経験や知見も踏まえて判断を行うことで、需要予測の更新頻度と生産計画への反映における柔軟性を向上させ、急激な需要変動にも迅速に対応可能なモデルとなっている。
 当面は、AIが学習可能な十分な過去データが存在し、かつ出荷頻度の高い製品を対象に、AIによる需要予測を実施する。今後、データの蓄積が進めば、より幅広い製品群へと対象を拡大していく予定である。
 このような高精度な予測に基づく在庫の最適化は、安定供給の強化のみならず、有効期限切れによる製造済み医薬品廃棄の削減やキャッシュフローの改善といった、環境・財務面での効果も期待できる。 なお、同取り組みは、同社がグローバルで推進するサプライチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環である。

◆吉成友宏武田薬品グローバル マニュファクチャリング & サプライ ジャパン サプライチェーン部長のコメント
 当社は今後も、需要予測の高精度化と業務の持続的な効率化を推進し、必要な医薬品を必要なときに、確実に患者さんのもとへお届けするという使命を果たすべく、努めていきたい。

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