連結子会社のエンジバント社が連結子会社のアルタバント社を吸収合併 住友ファーマ

 住友ファーマは7日、現地時間の6日に同社連結子会社(孫会社)のエンジバント社(本社:米国ノースカロライナ州)が、同社連結子会社(孫会社)のアルタバント社を合併したと発表した(合併期日:11月1日、現地時間)。同合併は、エンジバント社を存続会社とするもので、両社の専門性および人材を統合することで画期的な成果を創出するための効率的な事業活動を可能とする。
 今後、エンジバント社は、非臨床および臨床開発から商業化に至るまで、広範囲にわたる機能を備えた機敏かつユニークなバイオ医薬品企業として、免疫や肺動脈の希少疾患に苦しむ人々の治療ニーズに応え、生活を一変するような製品提供に取り組む。
 今回の合併は、住友ファーマの連結子会社(孫会社)間の合併であるため、同社の連結業績に与える影響は軽微である。
 エンジバント社は、他家培養胸腺組織である「リサイミック」について、2021 年 10 月に米国FDAより、小児先天性無胸腺症の免疫再構築を適応症とする米国において最初で唯一の承認を取得している。
 「リサイミック」は、生涯に1回きりの革新的な組織移植による再生医療に使用される。同剤は、小児先天性無胸腺症患者の胸腺機能を再生するように設計・処理されたヒト胸腺組織であり、提供者と被移植者のマッチングを必要としない。
 さらに、10の臨床試験で25年以上にわたって研究されており、FDAより再生医療先端治療指定(RMAT)、ブレイクスルーセラピー指定、希少小児疾患治療薬指定、希少疾患治療薬指定などの複数の指定を受けた。
 また、欧州医薬品庁(EMA)より希少疾患治療薬指定および先端医療医薬品指定(ATMP)を受けている。
 住友ファーマおよびエンジバント社は、米国ノースカロライナ州にcGMP準拠の細胞製品製造施設(CPC)を建設中で、2023年度に完成する予定である。同CPCでは「リサイミック」を製造する予定であるとともに、住友ファーマが事業化を目指している他家 iPS 細胞由由来の細胞製品の製造にも適応できるように同CPC を拡張していく予定である。
 住友ファーマは、ロイバント社との戦略的提携により、2019年12月に、新設子会社であるスミトバント社の傘下にエンジバント社を完全子会社化した。
 一方、旧アルタバント社は、肺動脈性肺高血圧症(PAH)などの呼吸器系希少疾患に対する治療法の開発に取り組むバイオ医薬品企業であった。
 同社のリードプログラムのトリプトファン水酸化酵素(TPH)阻害薬は、エンジバント社がPAHを対象としたP2試験を実施している。同剤は、FDAおよびEMAよりPAHの治療剤として希少疾患治療薬指定を受けている。
 住友ファーマは ロイバント社との戦略的提携により、2019年12月に、スミトバント社の傘下に旧アルタバント社を完全子会社化している。
 

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