GLP-1受容体作動薬「トルリシティ1.5mg」新発売 日本イーライリリー

 日本イーライリリーは30日、週1回投与の2型糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」を新発売したと発表した。
 同剤は、2015年の発売以来、世界中で繁用されている「トルリシティ0.75mg」に加え、さらなる血糖管理を必要とする2型糖尿病患者に向けた高用量製剤として開発され、本日の発売に至ったもの。薬価は、「トルリシティ皮下注1.5mg アテオス」1キット 5498円。
 これまで、トルリシティ0.75mgは、優れた血糖降下作用を示す2型糖尿病治療薬として、特徴的なデバイスの使用感も含めて広くその価値が認められ、使用されてきた。
 一方、一部の2型糖尿病患者においては、トルリシティ0.75mgでは十分な血糖管理ができず、治療の強化が求められる状況があった。こうした症例において、多剤併用による服薬アドヒアランスの低下が課題となる中、同一有効成分でより高い血糖降下作用が得られる選択肢を提供すべく、同製剤が開発された。
 週1回の皮下投与という利便性を維持したまま、同製剤の発売によって、より多様な治療ニーズに対応できるラインアップが実現する。
トルリシティは、週1回投与のGLP-1受容体作動薬であり、食事摂取などにより体内の血糖値が上昇した際に、血糖値依存的にインスリン分泌を促進する。また、グルカゴン分泌抑制や胃排出遅延などを通じた多面的なアプローチによって、血糖降下作用を示す。
 さらに、同剤はトルリシティ0.75mg同様、注射針があらかじめ取り付けられた1回使い切りの自動注入器「アテオス」によって提供されます。2型糖尿病のある人が注射針を取り扱うことも見ることもなく、3ステップで簡便に自己注射するできる構造となっている。
 国内P3試験(GBGQ試験)において、トルリシティ1.5mgは0.75mgに比べて統計学的に有意なHbA1c低下効果を示した(-1.53% vs -1.25%、p<0.001)。
 また、52週時点でのHbA1c<7.0%達成率は、1.5mg群で46.3%、0.75mg群で38.5%と、臨床的にも意義のある改善を示した。
 体重変化や安全性プロファイルは両群で同程度であり、有害事象発現率はそれぞれ76.5%、73.3%で許容範囲内と評価されている。
◆小嶋 毅彦日本イーライリリー営業本部長兼ダイアベティス・オベシティ・心・腎領域事業本部 事業本部長のコメント
 2型糖尿病のある方にとって、血糖管理はとても繊細な作業であり、日々の治療継続は負担がある。トルリシティ1.5mgは、そのような2型糖尿病のある方の負担を少しでも軽減し、より良い血糖管理を実現していただくために開発された。
 本剤を通して、より多くの2型糖尿病のある方々が、より健やかで充実した毎日を送れるように願っている。

タイトルとURLをコピーしました