キナーゼ阻害剤「ロンビムザ」 欧州医薬品委員会が腱滑膜巨細胞腫として肯定的見解 小野薬品

 小野薬品は28日、デサイフェラ社が開発中のキナーゼ阻害剤「ロンビムザ」について、腱滑膜巨細胞腫(TGCT)の成人患者の治療薬として承認を推奨したと発表した。
 対象は、臨床的に重要な身体機能の低下を伴い、外科的治療による効果が期待できない、もしくは外科的治療によって耐え難い病状や障害が生じる可能性のあるTGCT。
  CHMPの肯定的な見解は、販売承認に関する科学的な根拠に基づく推奨で、欧州連合(EU)において医薬品の承認権限を持つ欧州委員会(EC)が、ロンビムザに関するデサイフェラの販売承認申請(MAA)について承認の決定を下す前の最終段階の一つである。同決定は、2025年度第2四半期中に行われる見込み。
 CHMPの肯定的な見解は、抗CSF1/CSF1受容体(CSF1R)療法による治療歴がなく(イマチニブまたはニロチニブによる治療は許容)、手術不適応のTGCT患者を対象にvimseltinibの有効性および安全性をプラセボと比較評価する無作為化二重盲検プラセボ対照のP3試験(MOTION試験)において、ロンビムザは、プラセボと比較して、intent-to-treat(ITT)集団における固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST v1.1)を用いた盲検独立放射線評価委員会(BIRR)の評価による25週時の客観的奏功率(ORR)で、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した(ロンビムザ群40% vs プラセボ群0%、p<0.0001)。
 主要評価項目の結果は、プラセボ群と比較してロンビムザ群において25週時で観察された可動域、患者報告による身体機能および疼痛について統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した結果に支持されている。
 ロンビムザの安全性プロファイルは管理可能であり、第Ⅰ/Ⅱ相試験でこれまでに報告されたものと一貫していた。 

◆宇田川良太デサイフェラ社社長のコメント
 現在、TGCT治療薬として承認されている薬剤がないEUにおいて、CHMPからの肯定的な見解が示されたことは患者さんとTGCT治療に携わる医療関係者にとって重要な節目となるものであり、ロンビムザにとってもEUでの規制当局による承認に一歩近づくものである。
 我々は、ロンビムザに対するCHMPの肯定的な見解を足がかりとして、今後、世界中の新たな治療選択肢を必要とするTGCT患者さんにこの薬剤をお届けできることを楽しみにしている。

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