ニプロは24日、同社が札幌医科大学と共同開発したヒト自己骨髄由来間葉系幹細胞「STR03」について、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を対象としたP2試験(企業治験)を開始し、1例目の患者への投与が完了したと発表した。
ALSは、運動ニューロンが選択的に変性・消失することにより、筋力低下や呼吸機能障害を引き起こす進行性の難治性神経疾患である。現在、国内外で製造販売承認されている治療薬は存在するものの、疾患の進行を根本的に抑制する治療法は確立されておらず、アンメット・メディカル・ニーズ※が極めて高い疾患の一つとされている。
札幌医科大学と共同開発した「STR03」は、自己骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた製品で、神経保護作用や神経栄養作用、血液脊髄関門の安定化などを通じて、ALSの進行抑制やQOLの改善寄与が期待される。
同治験では、ALSに対する「STR03」の安全性および有効性を評価し、適応に向けた科学的根拠の確立を目指す。同治験は2024年10月からすでに開始しており、今後も多施設での実施を予定している。治験の概要および治験公開情報は、次の通り。
【治験概要】
◆治験名:筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対するヒト自己骨髄由来間葉系幹細胞の静脈内複数回投与
二重盲検無作為化比較試験
◆被験製品:STR03
対象疾患:ALS
◆治験デザイン:二重盲検無作為化比較試験
◆目的:安全性及び有効性の評価
◆投与方法:静脈内点滴
◆予定症例数:106例
【治験公開情報】
jRCT (Japan Registry of Clinical Trials):臨床研究等提出・公開システム
臨床研究等提出・公開システム