参天製薬は22日、小児の近視進行抑制治療剤「Ryjunea」について、本年6月2日に欧州委員会の承認を経て、ドイツでの販売を開始したと発表した。同剤は、ドイツでの発売を皮切りに、欧州全域で順次販売される。
小児の近視は、画面を見る時間が増え、屋外で過ごす時間が減ったことで、世界的に増加している。近視は小児期に急速に進行することが一般的であるため、近視の進行を抑制し、将来、深刻な目に関する合併症を発症するリスクを軽減する治療法が早急に求められている。
近視の子供を持つ親や小児科医が、小児近視に対して早期に対処するために重要な役割を果たすと同時に、眼科医も、近視の進行を抑制するために積極的に介入し、近視のリスクを軽減することによって、子どもの社会面・身体面の健康的な生活をサポートすることが可能になる。。
低用量アトロピン点眼薬は、臨床試験において、近視の進行を抑制することが検証されている一方で、患者は自家調製された製剤に頼っているのが現状である。
Ryjuneaは、EUで承認された初の近視進行を抑制する薬物療法であり、眼科医にとって小児の将来の視覚を守る新たな治療選択肢となる。