日本ベーリンガーインゲルハイムと日本腎臓病協会は17日、「日本腎臓病協会 研究助成(基礎)事業」の助成金交付対象者を公表した。
両者は、腎臓病の啓発の取組みを通じて、国民の健康増進に寄与することを目的とした「腎臓病の啓発の取組みのための包括連携協定」を2020年に締結し継続して協働してきた。「日本腎臓病協会 研究助成(基礎)事業」も同協定の取り組みの一環で、慢性腎臓病の発症および進展に関する基礎研究を対象に支援を行うもの。2025年度は4月2日から5月31日にかけて募集した全21件の応募の中から、日本腎臓病協会選考委員会による選考の結果、5名の研究者を助成金交付対象者として選定した。2025 年度 「日本腎臓病協会 研究助成(基礎)事業」 助成金交付対象者および研究テーマ(順不同)は、次の通り。
◆梅根隆介氏(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 内臓機能生理学)
「非神経性アセチルコリンネットワークを介した慢性腎臓病制御機構の解明」
◆菅原翔氏(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科)
「腎ネフロンセグメント特異的グルカゴン受容体欠損マウスを用いた糖尿病性腎臓病における腎グルカゴンシグナルの役割
解明」
◆中道蘭氏(慶応義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科)
「腎組織環境に適応するTregの特性と加齢に伴う変容:高齢者のAKI to CKD進展を抑制する新戦略の探索」
◆二瓶義人 先生(順天堂大学 腎臓内科学)
「抗β2スペクトリンIgA 抗体産生記憶B細胞に着目したIgA腎症治療標的B細胞の決定」
◆ 南聡氏(大阪大学大学院医学系研究科 生化学・分子生物学講座 遺伝学)
「老化尿細管細胞に着目した糖尿病関連腎臓病の病態解明と治療応用」
◆荻村正孝日本ベーリンガーインゲルハイム代表取締役医薬事業ユニット統括社長のコメント
ベーリンガーインゲルハイムは、未だ十分な治療法が確立されていない医療ニーズの分野で、画期的な治療法とヘルスケアソリューションを開発に取り組んでいる。今回の共同研究事業をはじめとした日本腎臓病協会とのパートナーシップでの取組みを通じて、一人でも多くの腎臓病患者さんの健康に貢献できるよう、これからも努めていきたい。
◆柏原直樹日本腎臓病協会理事長、同共同研究事業選考委員のコメント
今回も腎臓病領域における革新的な研究を促進し、腎臓病治療の発展に寄与するという、本共同研究事業の目的に沿う質の高い応募が多数寄せられた。今回、選出された研究だけでなく、応募されたすべての研究が、腎臓病治療のブレークスルーとなり、腎臓病治療の課題を克服することにつながるよう、大いに期待している。