日本セルヴィエは6月30日、抗悪性腫瘍剤「イボシデニブ」(一般名)について、がん化学療法後に増悪した IDH1 遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道がんを対象に適応追加承認申請を実施したと発表した。
イボシデニブは、変異型イソクエン酸脱水素酵素 1(IDH1)を選択的に阻害する分子標的薬で、変異型 IDH1の酵素活性を阻害することで、腫瘍細胞におけるがん代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)の産生を抑え、IDH1遺伝子変異陽性の腫瘍細胞の分化を誘導することにより、腫瘍の増殖を抑制する。
本年3月27日にIDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病の治療薬(製品名:ティブソボ)として国内製造販売承認を取得している。
今回の承認申請は、IDH1 遺伝子変異陽性で既治療の切除不能又は転移性の胆管がん(CCA)患者を対象として有効性及び安全性を検証した海外P3試験(AG120-C-005、ClarIDHy試験)及び IDH1遺伝子変異陽性で既治療の切除不能または転移性の CCA 日本人患者を対象として有効性及び安全性を評価した国内P2試験(CL2-95031-008試験)の結果に基づくもの。
◆アントニー・マレ日本セルヴィエ代表取締役のコメント
胆道がんは悪性度の高いがんであり、切除不能な胆道がんにおいては有効な治療選択肢が限られている。現在、二次治療において、生存期間の延長効果が明確に示された標準治療は確立されておらず、いくつかの分子標的薬が承認されているものの、胆道がんを対象として IDH1遺伝子変異を標的とする薬剤は国内で承認されていない。
我々は、IDH1遺伝子変異陽性の胆道がん患者さんに対し、一日も早く新たな治療選択肢をお届けできるよう、全力で取り組んでいく。
