沢井製薬は9日、東レとの経口そう痒症改善剤「レミッチ」の用途特許を巡る訴訟について、東レの用途特許侵害を認定し142億9000万円の損害賠償を命じた2審の知財高裁判決を不服とし、同日、最高裁判所に上告と上告受理の申し立てを行ったと発表した。
知財高裁は5月27日、同訴訟において用途特許侵害を認定し、後発品メーカーの沢井製薬に142億9093万円、扶桑薬品に74億7287万円の賠償金および遅延損害金の支払いを命じた。扶桑薬品は6日に告及び上告受理の申立てを行っている。
サワイグループホールディングスは3日に訴訟に関する引当金として167億円を計上し、2025年3月期決算を修正。営業利益は対前年比78.3%減益になると発表している。
沢井製薬は、「当社製品が当該特許を侵害するものではないという技術的・法的な見解に確信を持っており、当社の主張が認められなかったことを遺憾に思っている。最高裁判所へ上告し、当社の正当性を明らかにしていく」としている。