パーキンソン病治療薬「ND0612」 米国FDAが承認再申請受理 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は29日、運動症状の日内変動を有するパーキンソン病治療薬として開発中の「ND0612」について、再提出した新薬承認申請が米国FDAに受理されたと発表した。
 ND0612は、完全子会社であるニューロダーム社(本社:イスラエル)が開発を進めているもので、レボドパとカルビドパを液剤化し、注入ポンプを用いて患者に24時間持続皮下投与する治療薬。
 FDAの判断は、処方薬ユーザーフィー法Fee により、2025年度の第3四半期までになされる見込みである。
 ND0612の米国における開発については、田辺三菱製薬が2023年にFDAに対しNDAを提出したが、2024年6月にFDAから審査完了報告通知(Complete Response Letter、CRL)を受領。以降、FDAと協議しながらNDAの再提出に向けて取り組んできた。
 今回の承認再申請は、CRLで指摘されたND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供や、製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報の提供を中心に実施した。
 パーキンソン病は、世界で1000万人以上、米国では約100万人の患者がいるとされる進行性の慢性神経疾患である。田辺三菱製薬グループは、米国のほか、欧州でもND0612の販売承認申請を実施しており、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域において、神経変性疾患に向きあうすべての人に、新しい治療の選択肢を届けるために取り組んでいる。

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