リンヴォック 米国FDAより巨細胞性動脈炎で承認取得 アッヴィ

 アッヴィは23日、リンヴォックについて、巨細胞性動脈炎(GCA)の成人患者の治療薬として米国FDAより承認を取得したと発表した。欧州委員会よりGCAの成人患者治療薬として取得した製造販売承認に続く承認となる。
 これらの承認は、P3相ピボタルSELECT-GCA試験の結果に基づくもの。同試験では、主要評価項目である寛解維持が達成された。投与12週時から投与52週時までの期間に寛解維持を達成した患者の割合は、リンヴォック15 mgと26週間のステロイド漸減投与を併用した患者で46.4%であったのに対し、プラセボと52週間のステロイド漸減投与を併用した患者さんでは29.0%であった(p=0.002)]1。
 52週間のプラセボ対照期間において、リンヴォックの安全性プロファイルは、既に承認されている適応症で認められたものと概ね一致していた。
 GCAは、側頭動脈などの頭部の動脈、大動脈、ほかの中型・大型の動脈などに炎症を引き起こす自己免疫疾患である。未治療の場合、消耗性のある症状や、失明、大動脈瘤、脳卒中などを引き起こす可能性がある。
 50歳以上で発症し、主に70~80歳の白人女性で最も多くみられる。男性より女性の方が発症する可能性が高いものの、研究によると眼症状が生じる可能性は男性の方が高いことが示されている。

◆SELECT-GCA試験治験責任医師のPeter A. Merkel氏(ペンシルベニア大学リウマチ科主任、M.D., MPH)のコメント GCAでは依然としてグルココルチコイドが治療の主軸となっているが、薬剤に関連する毒性が多くみられる。また、GCAの患者さんにおいては、再発することが少なくない。今回の承認により、GCAの新たな治療選択肢がもたらされた。この臨床試験の結果は、ウパダシチニブにより患者さんが寛解維持を達成できる可能性があることを示すものである。

◆Roopal Thakkarアッヴィexecutive vice president, research & development兼chief scientific officer(M.D.)のコメント
 今回のFDAによる承認は、GCAの患者さんに、ステロイドを徐々に減らし、寛解維持を達成する可能性をもたらす治療選択肢を提供するものである。リンヴォックの新たな適応症追加は、免疫介在性疾患を有する患者さんのアンメットニーズを特定し、それに応えていくという我々の取組みの姿勢を示すものである。

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