
辻村明広田辺三菱製薬代表取締役社長は13日、三菱ケミカルグループ2024年度決算説明会で2025年度業績予想について説明。「トレンドとして24年度と殆ど変わらない」とした上で、「国内は、引き続き国内はマンジャロ(持続性GIP/GLP-1受容体作動薬、2型糖尿病治療薬)が伸長する。薬価引き下げの影響はあるものの拡大していく形になる」との考えを示した。
海外についても「トランプ大統領による大幅な薬価引き下げの影響はよく判らないが、ラジカヴァ(筋萎縮性側索硬化症治療薬)も順調に新規患者を獲得して前期と同じ水準で伸長している」と述べた。
三菱ケミカルグループ医薬品事業の売上収益は4604億円(対前年比5.3%増)、コア営業利益652億円(16.0%増)、営業利益516億円(25.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益232億円(58.8%減)となった。
販売面では、海外においてラジカヴァの売上収益が1003億円(前期比26.5%増)と大幅に伸長した。
国内医療用医薬品は、長期収載品の減少影響はあったものの、マンジャロ、インフルエンザワクチンの販売が伸長し、昨年3月に発売した5種混合ワクチン「ゴービック」も順調な立ち上がりをみせた。
国内医療用医薬品の売上収益は、乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎治療薬「ステラーラ」567億円(対前年同期比13.2%減)、関節リウマチなどの治療剤「シンポニー」414億円(4.5%減)、2型糖尿病治療剤のDPP4阻害剤「テネリア」124億円(3.3%増)、SGLT2阻害剤「カナグル」117億円(1.0%減)、DPP4とSGLT2の合剤「カナリア」78億円(27.2%減)、インフルエンザワクチン137億円(29.2%増)、5種混合ワクチン「ゴービック」158億円( 1187.6%増)。
利益面では、昨年実施した希望退職に伴う費用増などが要因となり減収となったものの、コア営業利益は16.0%増の増収を示した。
なお、田辺三菱製薬は、本年7月から9月の期間に米ベイン・キャピタルへの売却を控えているため、三菱ケミカルグループファーマ事業の2025年度業績予想は開示していない。
また、三菱ケミカルグループでは、田辺三菱製薬の譲渡により得られる約5100億円の資金を活用し、株主還元の強化及び資本効率の向上を図るため、500億円の自己株式取得枠を設定する。