ロート製薬は15日、自然界の力を科学的に解明し、現代社会に還元する新たな事業戦略「フィトサイエンス構想」を始動し、4月17日に藻類農園FARMOファーモ」をグランドオープンすると発表した。
同社では、研究から事業化までを社内外パートナーと一体で推進を加速させるべく、基幹機能として本社内に「フィトサイエンス研究所」(大阪市)を設立。合わせてグループ会社であるロート・F・沖縄(沖縄県うるま市)と共に、本年4月17日に沖縄県久米島町で日本初の藻類農園である「藻類農園FARMOファーモ」をグランドオープンするもの。
同取り組みにより、久米島の観光サービスとしての役割を担いながら、藻類産業の本格稼働を推進し、地域資源を活用した持続可能な社会づくりを目指す。

ロート製薬は、創業より126年にわたり、胃腸薬である「胃活」からはじまり、皮膚用薬「メンソレータム」や目薬のキー成分であるメントール、グリチルリチン酸等、生薬や植物の中から薬効作用を引き出し、人々の健康に貢献してきた。一方で、2025年の現在、社会が直面している環境問題や地域課題、食糧危機、高齢化など、様々な社会課題が深刻化する中で、より革新的なアプローチが必要とされている。
「フィトサイエンス構想」は、こうした社会課題解決と、地域の自然素材や技術を生かした健康産業の発展を目指す新たな事業戦略である。これまでの経験を元に、改めて自然界に存在する素材の活性や機能(フィトパワー)に着目。そのパワーの根源となる地域独自の気候や土壌、資源、技術等を最先端のサイエンスで解き明かすことで、フィトパワーの価値や可能性を拡げ、持続可能な形で、社会に還元することを目指す。同構想の具体的な取り組み事項は、次の通り。
1、 研究開発(R&D):藻類、漢方、生薬、発酵技術など多様なフィト資源の探求
2、 地域連携:特定地域の資源活用と地域社会との協働、地域活性
3、 事業展開:食品、化粧品、医薬品、機能性素材、農業資材、水産餌料など多分野での利活用で健康をサポート


「フィトサイエンス構想」の第一弾として、「藻類農園FARMO」を沖縄県久米島町にオープンする。同農園は、藻類培養ハウス、藻類研究所、ハウス内休憩所、カフェ、観光用視察ツアー設備を擁する。日本で初めての藻類の研究、生産、加工、観光サービスが一体となった施設で、次の①~④の事業を展開。地域資源を活用した持続可能な社会づくりと、藻類産業の大衆化を目指す。
① 地域資源の活用と社会への還元:
久米島の海洋深層水を活用した「久米島モデル」
を実践し、地域経済の活性化に貢献する。
② 藻類産業の大衆化と認知拡大:
生産・加工・サービスを一体化した施設で、藻類を
身近な資源として体験できる場を提供する。
③ 持続可能な未来への貢献:
環境負荷の少ない藻類栽培を通じて、食料問題や環境問題に取り組む。
④ 統合的な研究開発プラットフォーム:
産学連携や地域協働による新たな価値創造の場として、今後、食やスキンケアなど様々な事業を見据えて研究開発のプラットフォームとして活用していく。