福島県と健康づくり推進で連携協定締結 COPDの予防・早期発見・早期治療目指す アストラゼネカ

 アストラゼネカは27日、福島県(知事:内堀雅雄氏)と「健康づくりの推進に関する連携協定」を締結したと発表した。同協定のもと、健康寿命の延伸を目指し「健康ふくしま 21」計画での施策の1つとしている慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策を通じて、県民の生活習慣病(非感染性疾患:Non-Communicable Diseases、NCDs)の発症及びその重症化の予防等に関する取組を推進していく。
 福島県の平均寿命は、男性で全国ワースト3位、女性で全国ワースト2位となっている。また、福島県の死亡原因の約50%はがん、心疾患、脳血管疾患となっている。この要因のひとつとして考えられるメタボリックシンドロームや食塩摂取量、喫煙など生活習慣に関連する福島県の指標は男女とも全国ワーストクラスに位置している。
 特に福島県の喫煙率は、男性ワースト1位、女性ワースト2位であり、長年の喫煙習慣により発症リスクが高くなるCOPD対策を重点施策のひとつに位置付けている。
 こうした背景を受け、今回の協定は、アストラゼネカが COPD において患者さんの早期受診、早期診断、および適切な治療が受けられるよう患者中心の医療貢献によってCOPD による死亡率減少を目指していることから、両者が手をとり、COPD対策を通じた更なる健康づくりの推進に合意した。
 COPD は、世界の死亡原因の第4位である。日本人では死亡原因の16位と公表されている。だが、日本における推定有病患者数が約530人といわれている一方で、治療を受けているCOPD総患者数は約36.2万人に留まっており十分な診断、治療が行われていないのが現状だ。
 厚労大臣が定める、国民の健康増進の推進のための基本方針に基づく、健康づくり運動「健康日本21(第三次)」では、「2032年までに人口10万人あたりのCOPDによる死亡を10.0まで減少させる」新たな目標が掲げられており、対策が求められている。

◆三浦爾福島県保健福祉部長のコメント
 福島県では「第三次健康ふくしま21計画」の下、「みんなでチャレンジ!減塩・禁煙・脱肥満」という重点スローガンを定め、家庭や学校、職域、地域が一体となり、健康的な生活習慣の確立に向けた取組を推進している。
 本県の喫煙率は全国ワースト1位であり、長年の喫煙が主な原因となって発症するCOPDの死亡率も全国平均と比べて高い状況である。県では、COPD や禁煙の啓発により、COPD の認知度向上、予防、早期治療の推進に取り組んでいるところである。本協定により、今後のCOPD対策や健康づくりの推進に向け、連携した更なる取組ができることを期待している。

◆田中倫夫アストラゼネカ執行役員メディカル本部長のコメント
 骨太の方針2024で謳われた健康寿命の延伸には、心肺機能をできるだけ正常に保つことが非常に重要である。COPDの増悪は、呼吸だけでなく、症状が悪化すると、慢性心不全などの心血管イベントにも影響があることがわかっている。
 特に、COPD増悪発症後半年間は、入院を伴う不安定狭心症や急性心筋梗塞、非代償性心不全、不整脈、脳虚血、または入院中の死亡といった心血管のイベントが発生するリスクが約1.4倍になることが知られている。
 そのため、健康づくり推進のためにはCOPDの対策が欠かせないと考えている。また、高齢化社会の進展に伴い、がん、循環器疾患、呼吸器疾患といった NCDs による医療への負担が社会課題となっている。
 アストラゼネカは本協定のもと、COPD の医療課題に対し、疾患領域における知見の提供や、官学民との連携強化や医療データ解析のサポート等を通し、包括的な医療システムの向上を目指すなど、NCDs対策を通じて、福島県民の健康寿命延伸に貢献していく。

タイトルとURLをコピーしました